ワークデザインの杉浦さんとサッカー本とサッカー視点での会社組織について話しました。
今回は前回に引き続き株式会社ワークデザインの杉浦由佳さんとお話ししました。テーマはサッカー本とサッカー視点での会社組織。といってもテーマが先にあったわけではなくて自然とこの話になりました。
(インタビューは4/29に行っております)
サッカー本の話になりました
森野さんってサッカー本をたくさん読まれてますよね。私もサッカー本は読むんですがこれって読みました?
これは読んでないですね…。自伝はあまり読まないので。
これは面白かったです。片野道郎さんが翻訳された本です。
片野さんというとモダンサッカーの教科書ですね。レナート・バルディの対話形式のやつ。
そう、その片野さん。これ本は心と体の話なので、メンタルとフィジカル。メンタルコーチ、フィジカルコーチっていますよね。それって具体的にいうとどういうことみたいなことを結構深く掘り下げていて、すごく面白くて。
それは面白そうですね!早速買います。え~と…完了です。
若い選手は読んだらいいなと思ったんです。イタリアが代表が不調じゃないですか。何でかなって考えたんですが、イタリアってトトカルチョという言葉があるように、賭けの対象で、ガチで大の大人が19歳のデビューしたての選手たちを物すごい勢いでなじるわけです。今まではちやほやされてチョウよ花よで来たのが急にスタジアムの喧騒に放り込まれて、しかも応援するとか、勝つとか負けるとかじゃなくて、金返せとか……。
賭けの対象ですから。そうなっちゃいますよね…。今は知りませんが以前の競輪とか競艇はそんな感じでしたし。
どうしてくれるんだみたいなのでいくと、もうメンタルをやられちゃって、そこで折れちゃうみたいな。何かそれぐらいメンタルって大事だし、メンタルを左右する要素としてサポーターのブーイングとか、周りからのプレッシャーとか、監督の叱責とか、もう全て。
そう思います。Jリーグの選手でもそういったことを話している選手はいますよね。メンタル面って見えないけど大きく影響しますし。他にも本はお持ち何ですか?
他にもありますよ。
ほぼかぶってますね(笑)。
そうでしょ~(笑)。
岡田メソッドは買われました?
買いました。森野さんがFacebookでおすすめしていたからなんですけど、経営者としても勉強になりますね。
モデルがあってそこから落とし込んで言語化していくということはやっぱり重要ですよね。
重要です。何かそっちに興味が移っていったところがありますね、だんだんと。
育成というか成長が気になりますよね。無駄に戦術的ピリオダイゼーションとか勉強しますもん。
このあたりから組織とか育成の話に
無駄に(笑)。何かそれとさっき言った生態系でサッカーを捉えるという、うちの監督が言っているのは結構似ているなというところがあって。お客さんに営業で向き合うときの向き合い方で、がんがん行ける、行ったら成功するタイプと、そうじゃなくて、しっかり話を聞きながら時間をかけていくのがいいタイプとどっちも点を取るというところでは一緒じゃないですか。でも上司ががんがん行くほうの点取り屋だった場合に、おまえ、フォワードなんだからがんがん行けよみたいな感じのことをすると、時間をかけるタイプの子は潰れちゃうわけですよね。だから、この子には違う教え方が必要で、自分の経験則は外してアドバイスをしてあげないと、せっかくのよさが消えちゃうし、点を取れないわけですよね。
それは本当に自分も仕事で思っていて、何かをやらせることを考えるんじゃなくて、個性を見つけて伸ばした後、どううまくはめるかということを最近考えるようになったんですね、お客さんに対しても。だから、これができないのはそういう個性だから、できる人がどうカバーするかとかと考えるようになったんですよね。そこが大分変わったかな、サッカーのおかげで。
私もサッカーでそこは変わりました。ポジションが流動的というのが理想ですね。私、センターバックだけれども、この局面では点を取るね。みたいなことでもいいよ、という攻め方かな。役割が替わるというか。
そう。だから、練習法とかコーチの本とかを読むと、何か考え方、仕事に対する考え方も変わるんですよね。これをしてはいけないとは言わなくなるんですよね。これができなかったときに、伸ばして頑張るのか、ちょっと無理だからこれぐらいにしておくのかとか、次、こうしようとかとなるんですよね、どうしても。だから、駄目ってあまり言わなくなるんですよね。
そう。何でそうしたのかというのを知りたいから教えてみたいな感じですかね。やらなかったとしても、何でやらなかったのかを理由があると思うから、それを教えてほしいなといって、聞くと、あっ、そういうことかというのもあったりとかして。
別にできなかったら、できる方法を考えればいいだけの話ですよね。でも何か日本だと、大体みんなできることだから、それはできなきゃいけないとなるんですけれども、いや、読み書きができていれば、いいんじゃないのと思うんですよ。
ですね。はめたがるんですよね。
採用とかも結局、その足りないピースを埋めるために採用するじゃないですか、補強と一緒なので。そういうことを考えたら採用しやすいと思うんですよ。うちに合うかどうかとかと言っているから難しいんですよ。足りていないピースが会社の中で分かっていない気もしますけれども。
そこが一番悪いんでしょうね、きっと。だから何となくメンバーシップ型になっていっちゃうのはそこで。それこそサッカーと同じですけれども、戦えないですよ、世界と。中国を含めて、別に欧米じゃなくて。もうあの人たちは強制的に、もうシステムでそういうやり方をごそっと輸入してきてやっちゃいますからね。サッカーもそうだし、ビジネスもそうだし。
ほんとに。
こっちのほうが効率的だから、今まで2年間このやり方でやったけれども、一切捨てて、倍ほどのお金をかけてやり方を変えちゃうと、できちゃいますからね。
そう。そうなんですよね。そう考えると、会社で個を活かして、どうにでも柔軟に変化できるようにしておかないと。人も会社組織もすぐ変わればいいですからね、合う個のところにね。だから本当に会社もサッカーみたいに人を売ればいいと思うんですよね。実際にレンタル移籍のサービスもありますし。
※参考
過去にこんなお話をお聞きしています。
企業間のレンタル移籍で「ゼロ→1」を生み出す人を育てる | インタビュー | Web担当者Forum
そこにネガティブなイメージを選手というか、社員、個人が持たないことですよね。
そうですね。自分が合う環境を自分で探して、お互い探して合うところにしようみたいなのがいいですよね。サッカーの勉強ばっかりしていると、そうなってきます。
だから、サッカーを見ていると、仕事のことを考えて、仕事をしているとサッカーのことを考えてという、くるくる回っているんですね。
そうですね。だから、監督の本とかを読むと、いろいろまた参考になったりするんですよね。バルサの本とか、すごい面白かったですもんね。「FCバルセロナ 常勝の組織学」という本です。
そんな本があったんですね。
めちゃくちゃ面白いです。グアルディオラがバルサBの監督をやった時に言うことを聞かない選手が2人いて、クライフに相談したらしいんですよ。言うことを聞かないやつがいるけれども、どうすればいいか?といったら、言うことを聞かないやつはさっさと切れといって、1,2試合は落とすかもしれないがその後は勝つと。言うことを聞くやつが集まって勝つようになるということですね。おお、これ、面白いなと思って。できるけど言うことを聞かない、個も強いやつはあんまり要らないんだなと思って、やっぱり。よく会社でエースの営業とかいるじゃないですか。意外とその組織の中でやっているだけなので、あんまりとかね。
そうなんですよね。その人個人の再現性は高いんですよ。でも組織としての再現性がないので、いきなりいなくなったらそれで終わりという、組織は弱くなりますね、強い個が来るとね。
サッカーの話なのか会社の話なのか分からなくなってきましたが、こういう話って、サッカーをがっつり見ていないとできないじゃないですか、お互いに。
あと、うちの営業の若い子で伸び悩み君がいるんですけれども。その子、サッカーをやっていて、ちょっと消極的なんですよ。さっきの潮音じゃないですけれども、いつやるのみたいなところがあって。そのときにサッカーで例えると、理解が早いのが楽ですね。
ほう、どんな感じですか?
ここで私は通ればチャンスというところでパスを出しているんだと。パスを出しているのに、何でいちいちこっちの顔を見て戻してくるの。私は助けに行っているよ、だから一緒に走っているよ。でも決めるのはあんたなんだから、そこは前を向いて行けよと。相手が迫ってきても行けるから、私は出しているんだから、行ってと、決めてきてと。
外してもいいですからね。
そう。いいから。外したらまた一緒に走って、取り返しにいこうと。と言ってあげると、分かりました、パス下さいとなって。
そのうち、パスが悪いとか言い出しますからね(笑)。それぐらい言ってほしいですよね。
そうですね、確かに。こっちとか、こことか。
それぐらい言ってくれるとやりやすいですよね。合わせやすいので。
それは何か共通言語だなと思っていて。
確かにビジネスの言葉になると、急に分かりづらいんですよ、やっぱり。別にサッカーを知らなくても、パスを出しているからとかと言ったほうがまだ分かるんですよね。
そう。サッカーをやっていない子でも何かシチュエーションを説明してあげて、言うと、あっ、それ、分かりやすいですと言うので。
仕事の話を仕事の言葉でやると、何か重苦しいし、理解しにくいですよね。これは本当すごい感じます。何とか理論とか、何かうーんとなっちゃうので。
フレームワークとかね。
それは思うんですよね、最近。サッカー分析の本とかも読んでいると、練習に落とし込めないような分析をしてもしようがないとか、監督の方針がそもそもが違うのでやってもしようがないと聞くと、そうだよなとすごい思いますもんね。
確かに。机上の空論以外、何物でもないですもんね、練習できなかったらね。
そうなんですよね。だから、現実的にやれるものまで落とし込んで言わないと、となるんですよね、
それは、営業の戦略でも同じですもんね。それ、できるの?ということですもんね。こうすれば売れるじゃんといっても、いや、それ、誰がやるの。
バルサみたいに勝てるじゃんと一緒ですよね、誰でも言えるので。だから、サッカーを通していろいろ勉強していることが多いですね。
多いですね。うちの子の監督には、私がそういうふうに見ているというのもばれているので、杉浦さんまでになっちゃったら、もう終わりと言われました(笑)。サッカーって親ももう少し見たほうがいいですかね?と聞いたら、「別に見たかったら見てもいいと思いますよ。でも、サッカーと社会とか、サッカーとビジネスとかと杉浦さんみたいに言い出すと、もう終わりですよ」と。
終わりって(笑)。
まとめというか
ヴィッセル神戸のお話をお聞きする予定がサッカー本の話になって、いつの間にか組織の話になってしまいました。話している当人たちはとっても楽しかったのですが皆さんはどうでしょうか?コーチのように終わっていると思った人も多いかもしれませんね(笑)。
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