Google アナリティクスのカスタマイズもいいけど数値の定義が変わる場合は要注意というかあまりおススメできないかも
Google アナリティクスってイベントを使ってPDFのダウンロード数を計測したり、仮想ページビューで同一URLで遷移するフォームの詳細を取得したりとカスタマイズするといろんなデータが取れるんですよね。
そんな時に注意したいのが、数値の定義が変わってしまったりして今までと大幅に変わってしまうことがあるということです。
ここ最近立て続けにこのあたりのことを聞かれましたのでありがちなミスをいくつか。
■スクロール量を測るとき
Google Analyticsにフォーム入力イベントなどを機能拡張するJavaScript「GA Functions」 , murak.net
などを使うと画面のスクロール量を測定することができます。この時にイベントを使うので今までの直帰としていたものが直帰ではなくなってしまいます。
このツールを導入すると直帰率が大幅に減ります。Google Analyticsにイベントを記録すると直帰と見なさなくなるためです。直帰率の意味が変わると認識してください。今までは「ページ遷移しなければ直帰」というのが「何も操作しないでページを閉じたら直帰」という意味になると理解すればいいでしょう。
イベントが多くなりすぎないようにご注意ください。Google Analyticsの制限で1訪問あたりに記録されるイベント数は500までです。イベントが多すぎるときは入力フォームの測定をオフにするなどして調整してください。
ということですね。
これを使うとおそらく直帰率が一桁とか10%ぐらいになってしまうはずです。
ちなみに現在はイベント発生時でも直帰にできる設定がありますのでそれを使ってもいいですね。
■直帰の定義を変える時
Google Analyticsで本当の直帰率を計測する方法 , 海外SEO情報ブログ
とか
tips 直帰率を下げる、と言うより本当の直帰率を知るためのGoogle Analyticsの設定方法
を使う場合ですね。
前者は非同期コードでは使えないようになっているようです。後者はイベントなのでスクロール量の時と同じことが言えます。
これを使うと何もしなくても狙ったページの直帰率を下げることができてしまいますし、上と同じような問題が発生します。
■定義を変えたら比較ができない
これらを使うと過去との比較やこの設定をしていない他のサイトとの比較もできませんので、今までやってきたことが意味をなさなくなってしまいます。また同じGoogle アナリティクスなのに定義が違ってしまうとややこしくなります。
解析する上では「比較」はとても大切ですし、数値の定義を変えてしまうのは何かを計測するときにはよほどのことがない限りやることはありません。やってしまうとこんなことになってしまうわけですから・・・。
それよりも何よりも、お客様に説明するときにひじょ~~~~に困るわけです。途中で変更すればその意味を説明しないといけないし、新規の場合でも他と全く違うデータになるので、ある日突然「うちのサイト直帰率がやたら低いよね?」とか言われてしまって、ソースに詳しい人(何故かこういった時には必ずいる)に指摘されて終了・・・ってことになりかねません。
■カスタマイズする時はよく考えて
これらのカスタマイズが悪いわけではありません。
知らずに使ってしまって他の数値に影響を与えたり解析ができなくなってしまうのが怖いのです。それが分かっていて使うのであれば何にも問題はありません。
しかし、こういったことに詳しい人が世の中に少ないのも事実です。
取得出来たら便利そうな数値もこういったリスクがあることをお忘れなく。