「どんな点に注目して○○を見ていますか?」
佐藤可士和さんに質問「どんな点に注目して広告を見ていますか?」 #ブレーン , AdverTimes(アドタイ)
の記事を読んで思ったこと。
広告を見るとき、大きく分けて3つの目線で見ています。「消費者から見た目線」「ビジネスの目線」、そして「クリエイターとしての目線」。どれも兼ね備えた広告というのは少なくて、「すごく人気だけれど、必ずしも売上げや企業の価値につながっていない広告」や、「広告業界的では話題にならないけれど、実際にモノがとても売れて、ブランドにも貢献している広告」などそのバランスはさまざまです。3つの要素がすごく高次元でバランスが取れていれば、その広告は理想的と言えます。つまり、消費者から見てとても魅力的で、かつモノが売れて、商品や企業イメージも上がって、クリエイティブ的にも新しいことができている。それができたら、最高ですよね。
実際の仕事では、全てのプロジェクトに3つの要素が高次元で求められるわけではありません。広告業界的には評価されないような“ベタ”な表現の広告も、マーケティング戦略として確信犯的にやっていることもある。要するに、クリエイティブだけ、あるいはビジネスだけなど、固定された目線で見ていては、そのプロジェクトが成功しているかどうかはわからないんです。一括りにいいとか悪いと言うのは、すごく狭い視点からしか見ていない可能性があります。
特に、広告のつくり手でありプロであるならなおさらです。ひとつの広告をいろいろな視点から評価して、どこがよくてどこが悪いのか、冷静にウォッチする必要があります。
とっても分かりやすいですよね。
これと同じことを自分がやっていることで聞かれたとして、ここまで分かりやすく即答できるでしょうか?
即答できるということは自分の中でやっていることが整理されているということですし、それを常に考えて仕事をしているということですし、それを常に見直したりしているのだと思います。ですので、自分がやっていることをどれだけ自分が理解しているのか?を測るにはこの質問を自分にしてみるのがいいですね。
■「どんな点に注目してアクセス解析を見ていますか?」
確かにこれってよく聞かれますので頼まれたわけでもないのに私の考えを(笑)
初めて見る場合は「いつ、どこの、誰が、どこから来て、何を見て、どうした」。を見ています。
(モニタリングであれば当然数値になってきますし、ECなら数と金額も)
コンバージョンだけ見ているわけでもないですし、広告の効果だけを見ているわけでもないですし、アクセス数を見ているわけでもないです。見ている(というかイメージしている)のはユーザーの動きです。ひたすらこれ。
最初は大雑把に見て全体をイメージしながら、必要に応じて軸を追加して同じ視点で見ていきます。例えば、ブラウザがIE8の人がどうしたとか、名古屋で17時ごろFirefoxからYahoo経由で運営堂というキーワードでトップページにきて3ページ見て帰った人がどうした、とかです。
そしてその人たちが見たページだったり滞在時間だったり離脱ページだったりを見てみて、そこで感じたその人たちの知りたかったことをイメージし、実際のサイトで同じ動きをしてみて違和感を感じるところがあればそれが何かを考えます。ここに行きたかったはずなのに行けなかったとか、ここのリンクがいらないとか、ここにこの情報があればこっちに行ったのに、とかです。
それが浮かんだらページの遷移やヒートマップ(ページ解析)を見たり、より細かくセグメントしていきますし、同じキーワードで出てくる競合サイトと比較しながら見てみる時もあります。とにかく、その時のユーザーの気持ちに一番注目しています。
■で、最終的には
違和感を数字や図で表現できるようにします。これを違和感の数だけやります。
そうしたらその違和感は改善すべきなのかどうなのかをアクセス解析や競合サイトを見たり、クライアントにヒアリングしたりして判断します。改善すべき点であればその方法と効果を考えて、そうでない場合はいつ役に立つかわからないのでメモしておきます。
という流れですね。地味です(笑)
■そんなわけで
私がアクセス解析をどう見ているかはさておき、「どんな点に注目して○○を見ていますか?」と自問自答してみるとスッキリすることもあるのではないのでしょうか?