「ないことがわかる」ということ。
それやっても意味ないですよ。
アクセス解析をやっていて常に頭によぎる言葉です。
自分が今見ているところはお客さんに求めらていない趣味の部分だということ。
仮説や目的がしっかりしていれば自ずと見るべきところは決まる。
そう話すし、そうしようとしている。
にもかかわらず、どうしても関係ないところを見てしまう。
いろいろ考えた結果、もうこれは直らないし、直そうと思わないことにしました。
■大学時代の教授から言われた「ないことが分かったと言いなさい」
実験のデータを発表している時にこういわれました。
発表している自分は何も出てこなかったのでかなりネガティブな感じで発表していたのですが、教授からは「ないことが分かったと言いなさい」との指示。
この人、何を思っているんだろう?とその時は思いました。ないってことは半分ぐらい分かっていたし、それが発表に値するようなものだとは考えていなかったからです
しかし、これが重要だということは学会発表でわかります。
温度依存性は?濃度依存性は?時間依存性は?もっと高濃度ではどうなるの?AをBに変えたらどうなるの?
といった感じでどんどん質問が飛んできます。それは単純にそのことについて深く知りたいからだし、理解しようとしているからなんですが、こちらの回答は「これから調べます」としか言いようがない。
こういったときには○○という条件ではこういった反応がなかった、などの自分の実験結果を補強するような内容も入れておかないと、何の裏付けもないやりっぱなしの現状報告になってしまいます。だから「ないことが分かっている」ことが大切なんです。
自分の考えたこと、見つけたことを報告するときにはそれだけではなくて、もしこうだったら?と常に自分のアイデアを否定するアイデアをぶつけて弱点を補強しないといけません。それを繰り返して、考えての繰り返し・・・。
■効率とコストを求められると
営利企業であればここいかに早くするか、もしくはやらないかの選択になります。もちろん両方やるのですが、どうしても検証の時間が無くなってしまう場合もありますし、どう考えてもこれ以外あり得ないという場合もあるので、考える時間をすっ飛ばしてしまう時もあると思います。
だから、仮説をしっかりさせたいし目的をはっきりさせたい。ゴールに向かって最短距離で行きたい。
最小限の努力で最大限の結果を出したいですから当然のことですよね。
■個人的なジレンマ
限られた時間とコストの中でレポートを作り上げないといけない。でも、大学時代に染みついた、気になったことは確認しておきたいという習性がある・・・。
そんなジレンマがありましたが、どうすれば自分が自信を持ってレポートを作成できるか?を考えた結果、冒頭のように意味がないと思われることもどんどんやろうと決めました。
ないことなんて分からなくてもいいんでしょうが、ないことが分かってないとスッキリしない自分がいるから仕方がないですよね。モヤモヤしながら働くよりも、自分がスッキリして働いた方が良いと思いますし。
もちろん最低限の稼ぎは必要ですが・・・。
■自分の中のビッグデータ
世の中ビッグデータがどうこうって騒がれてますが、こうして「ないことが分かる」ことを続けていくことで自分の中に自分だけのビッグデータが出来上がっていくと思っています。
それは整理されていないし、そこから未来のことを予測することはなかなかできないけど、なにか新しいことをしたい時に道しるべになってくれるものだと思っています。
以前にやってみた無駄なこと同士をくっつけるとこうなったとか、実は過去に無駄だったことが今回求められたとか。
効率を求めるのもいいけど、無駄なことの積み重ねがいつか意味のあることになるのかも知れません。
そう思ってこれからも「ないことを探していこう」と思います。