明日のコミュニケーションを読んだ
明日の広告の続編(?)です。あの頃はWebが出てきて既存の広告が役に立たなくなったと言われいた時ですね。今回はソーシャルメディアを中心に書かれています。明日というか現在進行形の感じがしますが、やはり書かれていることはとても参考になります。
■明日の広告では「情報自体が喜ばれるものではなくなった」といったあたりが
情報爆発の時代というやつでしたね。確かに平成18 年度情報流通センサスの発表はまさに爆発といった感じでしたし、自分たちも情報の渦に巻き込まれていました(ちなみに今は「情報流通インデックス」と名前を変えて算出方法も変わっています)。この届かない時代どうしようかというのが、明日の広告の話。このあたりが1章。
■ハイパークチコミは起きるのか?
さとなおさんが書かれているハイパークチコミというのはRTやいいねであっという間に情報が伝達することで、ソーシャルメディアの特徴ともいえるものですが、本当にそんなこと起きるの?と感じる方も多いかも知れません。普通にやっていればなかなかそうはならないのですが、条件が整えば確かにハイパークチコミは起きます。
大仏ツイートは624RT、240,872インプレッションだった! , 運営堂
まさにこれがそう。
この時は2日間にわたってRTがRTを呼んで自分でも怖いぐらいでした。
自分が思うにこういったハイパークチコミは、
・多くの人が興味・関心を持っていること
・多くの人が知っている知識や話題
で発生して
・面白いキーワード
を中心に連鎖します。
大仏ツイートの場合は「地震という日本国民すべての話題が大仏という誰もが歴史で習うことが重なった」ためにハイパークチコミが起きました。これが本の中で書かれている「共感を纏った情報」というやつですね。このあたりが2章。
■ソーシャルメディアを活用するには自分が使わないといけない
こりゃその通りで、地元のコミュニティに参加していないのに地元の情報なんて入ってきませんよね。それと同じでまずはソーシャルメディアを使ってみて、そこに存在する明確なくくりのないコミュニティに参加する(または見る)ことでようやく分かってくるものだと思います。使ったことがない人はこの明確なくくりのないコミュニティになじめないし、それがよく分からない恐怖感につながるんだと思いますが、引越しをしたばかりだと思ってまずはなじむことから始めれば良いと思います。
本の中では「ソーシャルメディアの勘所」として11の項目を上げていますので、そちらも読んでみて体感しながらソーシャルメディアを使っていくと思います。ここが3章。
■既存のモデルはもう役に立たないのか?
AIDMAとかAISASといったモデルですね。さとなおさんはSIPSといった言葉でソーシャルメディア時代のモデルを説明されていますが、AIDMAもAISASもSIPSも単独であったり、複数が組み合わさって成り立っていると書かれています。これは考えれば当然で折込チラシを見てお店に行く時もあれば、TVで見た商品を検索してみたら友人がいいねしていたから買うことだってありますよね。
ですから、今まで広告をやってきた人たちはSIPSモデルを理解すれば色々なアイデアが出てくるんじゃないかと思います。いきなり取って代わるわけではないですし、時が経てばAIDMAが見直される時が来るかもしれませんので、今の流れを見ながら過去のものを組み合わせる温故知新作戦がよいのでは(笑)。ここが4章。
■じゃあどうやるの?
ここは5章をお読みください。具体的な事例が紹介されています。
■個人的には、「愛される」じゃなくて「応援される」かな
最近、愛される○○といったものをよく目にしますが、個人的にはそこまでじゃなくて、応援されるとか応援したくなる関係なんじゃないかと思います。地道に頑張っている人(企業)、利他の精神で人に尽くしている人(企業)、などなど愛するわけじゃないんですがなんとなく応援したい人たちっていますよね。
以前はこういった人たちに接する機会はなかなかなかったのですが、ソーシャルメディアではそれが向こうから自然と近づいてきます。「お天道様は見ている」といった感じでしょうか。
無理矢理ソーシャルメディアを使う必要はないのですが、自然に使っているうちにいつの間にか広がっていきますので、まずはぼちぼち始めてみましょう。広告やマーケッターだけじゃなくて学生さんもデザイナーさんもおじいちゃんも皆さんに読んでもらいたい本です。
アスキー・メディアワークス
売り上げランキング: 144