アクセス解析の3つの視点
今回はアクセス解析をするときに持っておくと良い3つの視点です。
アクセス解析でひとくくりにしてしまうと、たくさんのデータとたくさんの切り口で何からすれば良いのかが分からなくなります。そんな時は意識して視点を切り替えることで見るべきものが絞られてきます。この方法で同じデータを見てみると時間はかかりますが、スカッとするのではないかと思います。
■監視カメラ
決まったデータを、決まった時に、決まっただけ出す。というものです。モニタリングレポートや定期レポートと言われるものです。この視点は「決まったものを見るのではなく」、今までのトレンドから「違いを見つける」ということです。異常値に気付くことでサイトの問題や外部で起きていることが把握でき、次のアクションにつながります。
この場合は、正確なデータを、素早く、決まった時に出す。ことが求められます。Googleアナリティクスのインテリジェンスのような機能を使ってもいいですが、やはり自分の目で確認することで予兆のようなもの見えてきますので、面倒でも自分の目で確認するようにしてください。また、正確に素早くに出すには数をこなさないといけないので、楽をしていきなりプログラムを組んだりしないでくださいね。
■データを斬る
こちらは出てきたデータをある意図をもって斬ります(セグメント)。例えば特定の都市からのアクセス、特定のキーワードからのアクセス、特定のコンテンツを見た人などなど。この視点は「埋もれているものを掘り出す」ことが目的です。監視カメラでは見つけることができなかったポイントを見つけることで、サイトの特性や弱点が分かります。
この場合は、塊になっているところを切り分けることと、仮説をもってセグメントすることが求められます。塊になっていないとセグメントした時に細かくなりすぎて全体に対する比率が小さくなってしまいます。つまり改善効果も薄れるということです。訪問数ベースで考えるのなら20%以上まででしょうか(ここは考え方によって変わります)。
仮説を立てるのはセグメントの方法がとてもたくさんあるからです。そのすべてを試す時間はないので、地名入りワードのSEO効果が見たいから特定の地名入りのキーワードで見るとか、特定のページのアクセスが伸びているのでそのページを見た人の動きがどうなっているかを知りたい、といった感じで仮説を立てます。ここもやればやるほど研ぎ澄まされてくるので、数をこなしてください。
また、複数のセグメントの組み合わせや比較も有効です。yahooで特定のキーワード、新規とリピートなどです。
■ユーザー行動
これはセグメントと似ていますがユーザーの動きに合わせて切っていきます。例えば新規-yahoo-(特定ワード)-直帰ユーザー、新規-yahoo-(特定ワード)-直帰ユーザー以外、といった感じです。この視点は「実際のユーザーの行動にできるだけ近づける」ことが目的です。1回でコンバージョンするユーザーは少ないので、複数回訪問するユーザーの気持ちが分かるようになります。
新規の特定ワードの直帰ユーザーを想定するのであれば、ランディングページや実際の検索結果画面などから何故直帰したかを考えます。この時に時間帯や都市やPC環境を見ることでかなりイメージできるようになります。その次は同じ条件で直帰しなかったユーザーや、違うワード、違う参照元などで分けていき、その次に2回目の訪問者で同じように見ていきます。かなり面倒ですが、ビッグワードやリスティングなどに絞っていくとユーザーの行動が見えてきます。これは回数というよりもイメージ力(妄想力)なので、集中している状態で行ってください。
監視カメラで終わってしまっている人は意外と多いのではないかと思いますので、セグメントやユーザー行動でデータを斬って解析をしてみてください。きっと違ったものが見えてきます!
その1:アクセス解析は数字だけを追ってはいけないけど、数字の根拠は知っておかないといけない
その2:アナログ効果測定のススメ
その3:アクセス解析の3つの視点
その4:アクセス解析は初回の解析で全てが決まる。