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アクセス解析は数字だけを追ってはいけないけど、数字の根拠は知っておかないといけない

ここ最近名古屋でもアクセス解析について聞かれることが多くなってきました。細々と続けていた私にとっては嬉しいことであります。そんな中で皆さんから一番よく聞かれることは、アクセス解析について教えてください!というひじょ~~に漠然としたものです。まずは衣袋宏美のアクセス解析ゼミナールを受講していただきたいと思うわけですが、時間とお金の都合でそうもいかないでしょうから、ぼつぼつとどうすればいいかを書いていこうと思います。

※ちなみに衣袋さんのゼミナールの資料は今でも読み返しています。ずっと使える基礎的な話なのでおススメです。

■数字を見て一喜一憂しない

数字を見ないといけないのは当たり前なんですが、ここの数字ばかりを見ていても意味がありません。見れば見るほど細かいところが気になってしまい、重箱の隅を楊枝でつつくようなことやってしまうからです。Webサイトだけを見るとそれなりに重要かもしれませんが、全体を見るとその部分の占める割合は0.001%もないかも知れません。いくら細かいことの積み重ねと言っても細かすぎますよね。

まずはグラフ化(視覚化)して大雑把にとらえてから、細かい部分にドリルダウンしていく習慣を身につけましょう。異常値があるとそこを掘り下げたくなりますが、グッとこらえて全体を見ていき、その上で掘り下げる必要があれば掘り下げます。全体を先に見ていくとおかしい部分のつながりが見えてくるので、追求するにしても早くなりますし、他の数値への影響も頭に入ってきます。一つの数字はそこだけに影響するのではなくて、他の指標にも影響しますから。

こうすることで改善の肝と適切な改善施策が分かってくるようになります。

■完璧なデータ収集を目指すけど、できない前提の心構えで

数字を見るもう一つの欠点は完璧なデータ収集マニアになってしまうことです。より精度の高いデータを収集すれば精度の高い解析ができるのですが、そればかり追い求めているときれいなデータを出すことに集中してしまい、肝心の分析に手が回らなくなってしまいます。

アクセス解析は後回しになってしまうことが多いので、タグの貼り忘れや設定のミスもありますし、更新や追加の際にタグが落ちる場合もあります。また、解析側にページの内容が伝わるのが遅くて外部リンクやファイルダウンロードの設定をせずに公開されてしまう場合も多くあります。こういったことはないに越したことはないのですが、発生してしまう前提で考えておかないと、データがない=解析できないということになってしまいます。「分かる範囲でできるだけのことをやる」、と肝に銘じて解析をしましょう。

クライアントには怒られるかもしれませんが、やりたいことは数字を出すことではなくて改善することなので、それが分かればいいのです。

■でも、数字の根拠は知っておくこと

数字だけにこだわらないようにしながらも、その数字がどうやって出されたか?は必ず知っておいてください。ツールが出した数字をそのまま鵜呑みにしてエクセルで加工・・・は厳禁です。

どういったときにPVがカウントされるのか?
どういったときにセッションが切れるのか?
ユニークユーザーの算出方法は?
離脱ページの滞在時間は?
直帰の計算方法は?
新規とリピートの定義は?
などなど。

ここ知らずに作成されたレポートはなんの信憑性もないのでアクションを取るための資料にはなり得ません。いい加減な数字を元にお金や時間を使うことはないですから。

数字の出し方はツールによって違いますので、すべてを把握するのはかなりの時間を要しますが、ここを知っているかどうかでレポートの質が変わってきます。面倒かもしれませんがじっくり取り組んでみてください。

アクセス解析を始めるにはツールに慣れるのではなくて数字に慣れることからスタートです。

その1:アクセス解析は数字だけを追ってはいけないけど、数字の根拠は知っておかないといけない
その2:アナログ効果測定のススメ
その3:アクセス解析の3つの視点
その4:アクセス解析は初回の解析で全てが決まる。