こんな目標もいかがでしょうか?というお話
目標の設定というと何の疑いもなくWebサイト上に測定できる数字=アクセス解析の数字を設定しまうことってあると思います。アクセス解析を勉強していると、こうやって目標を設定してこう考えて・・・って書いてありますからね。しかし、クライアントのビジネスを最適化(というか成功というか)させることを考えるとこうじゃない場合もあると思います。決まりきった考えで進めていくとそれをこなすことが仕事になっていくので、ちょっと視点を変える意味で違った考え方をしてみます。
■クライアントの現地・現物・現実を確認すると・・・
例えばECサイトを改善するときには、カートの使いやすさや、集客の状況や、商品ページの作りを改善することが多いと思いますし、それと連動して注文数や売上高を見ているはずです。それはそれでやらないといけないのですが、現場を見てみるとこんなことが分かってくる場合もあります。
注文は多いけど商品へのクレームや欠品が多かった
注文数は多いけどクレームが来ていたり(期限切れや商品間違いなど)、欠品が出ていればアクセス解析では順調でも実際はそうではないですよね。クレームがこればお店の信頼度が下がりますし、レコメンドに投稿されてしまったら多くの人にそれが知れ渡ってしまいます。欠品も同じです。
それにかけている時間やコストが当然無駄になっているわけなので、そこを改善するだけで利益も増えますしお店のイメージも良くなっていきます。つまりサイトを大きく変えたり広告費を増やすことなく成果を上げることができるのです。こんな改善もありですし、そもそもサイトの前にやらないといけないことですよね。
こんな時は当然商品の管理方法を改善することからスタートです。品質管理や生産管理を経験したことがある人ならできるかも知れませんが、Webしかやったことのない人にはちょっとハードルが高いので、まずはクレーム件数、欠品件数、返品件数、あたりを集計して、それを処理するのにかかった時間を把握することから始めるといいと思います。在庫に関しては毎月(毎週とかでも)の棚卸が一番いいので、その正確性を把握することからです。
これらが目標として設定できます。
カート放棄率でも注文率でもメルマガ登録率でもなくて商品別クレーム件数、担当者別返品処理時間、発注担当者別在庫適合率などです。このあたりの数字が改善されたときに売上や注文数などがどう変わったか?を見ていくといいですし、クライアントは会社の残業代の推移を見てみてもいいですよね。
このあたりの数字がとれたら、原因を調べて改善策を考えて対処していくのはアクセス解析と同じです。クレームならば商品のどこが問題か、配送・梱包の問題なのか、などを考えていき、欠品なら受注・発注・入荷・出荷の数字を品番単位で時系列に追えばOKです。
■守備範囲を決めなければ見えてくるものがあるはず
自分はWeb屋だからと考えているとこういったものは見えてきません。
あくまでクライアントのビジネスを最適化するためと考えていればこういったものが見えてきます。こういったものを見ていくと、今までとは違ったWebサイトの改善方法も見えてきます。そうすると今まで悩んでいたことがあっさり解決することがあります。ちょっと抽象的な話になってしまいますが、どこまでどうすればどうなるとは一概には言えませんので・・・。
■業者ではなくてパートナーになるために
言ったことをやってくれる人は、言われるがままに仕事もなくなります。そうじゃなくて、お互いがいい関係でいるためには、上に書いたように言われていないこと、守備範囲外のことに積極に取り組むことだと思います。提案したってなかなか通らないしやるのも大変ですが、得るものは大きいので、時間の許す限りこういったことを考えてみることをおススメします。
Webサイトをいじらなくてもできることってたくさんありますね。