月刊消防の「消防式Moodle活用術」を読んだ。橋下知事と乙武さんの教育に関するツイートもからめて。
ごく一部でよく知られている、横浜市消防局でのMoodle活用事例の連載が月刊消防でスタートしました。Moodleは主に小中高大学などの教育機関で使われていますが、オープンソースであることなどから現在では企業の社内研修などにも使われています。こういった導入事例はなかなか貴重なので消防関係者ではないですが、月刊消防を買ってみました。
■そもそもeラーニングの認識が・・・
90年代のeラーニングと現在のeラーニングを比較してこのように書かれています。
- eラーニングがすべての「授業や学習」に取って代わるという考え方から、「授業や学習」を補完し、相互に高め合うものへと変化してきた。
- ただビデオを流し、スライドを見せてテストを受験させるという一方通行的な手段ではなく、相互的かつ全体的な「教師と生徒」あるいは「生徒同士」のコミュニケーションツールとしての機能が充実してきた。
これはいきなりグサッと来るというか、この認識でMoodleを使っている学校って少ないのでは?
eラーニングというと、どうしてもパソコンを使った授業をしなくてはいけない、という固定観念があって補完するものという認識はなかなか出てきませんし、授業は学生とのコミュニケーションが前提で、それを補うものとしてeラーニングを考えないと手段に振り回されてしまいます。管理者がこの認識を持っているという部分がかなり重要だと思います。
さらに手段ありきだとどうしてもシステム開発になってしまって、使いづらいものになってしまったり、逆にPCに詳しくない人には使えないものになってしまいがちですが、補完するものだと思えば必要なときに必要な機能を使えば良いわけです。
また、コミュニケーションについては、学生が意見を言わないのは、教える側がコミュニケーションをとってないだけじゃなかろうか?で書いたようにMoodleをベースとしたコミュニケーションはなかなか難しいですが、横浜市消防局ではこのあたりをクリアしています。この違いは、学生は発言しなくても何とかなってしまう状況が多く、そもそもそういった訓練などを受けていない点と、逆に職場では積極的に情報を取りに行って自分のスキルをどんどん磨いていかないといけない状況ですし、自分を伸ばしたい人が多くいる点にあるのかなと思います(一概にこうとは言えないですが)。
こういったことをきちんと考えて積み重ねていた結果がこの連載なんだと思います。
■学習のピラミッドを初めて知った
1.一方的な講義方式なら、5パーセントしか定着しない
2.テキストなど資料を読ませれば、10パーセント
3.映像などを見せれば、20パーセント
4.実際にやって見せれば、30パーセント
5.討論させれば、50パーセント
6.実践させれば、75パーセント
7.他の人に教えれば、90パーセント
こんな考え方があったんですね。
これに基づけばMoodleはレベルに応じて最適な機能がありますので、上手く活用することができますよね。やはり教える側もこういった知識を身につけて、段階的に教えていかないといけないです・・・。
■教えることの難しさ
Togetter – 「橋下府知事@t_ishinの教育についてのツイをきっかけに乙武 洋匡さん@h_ototakeが「僕が教員時代に最も頭を悩ませた問題でもあった」とツイート」
にもあるように人に何かを教えるというのは本当に難しいものです。その中の手段の一つとしてeラーニングがありさらにその中にMoodleがありますし、電子黒板などがあります。日本ではどうしても技術が先行しがちですが、こういった根本の部分を考えながら教育というモノ自体をきちんと考えていきたいです。アクセス解析もそう。
もっとシンプルに、もっと深く。