デジタル教科書についての提案書があった
「デジタル教科書」推進に際してのチェックリストの提案と要望
ひとつ前の記事で技術の進化が教育効果を高められるのかな~といったものを書いたんですが、理数系学会教育問題連絡会に加盟する学会がデジタル教科書についての提案書を出していました。
しかしながら、「デジタル教科書」は、あくまでも教育の手段であり、目的とするのは教育を高めていくことであるのを忘れてはなりません。特に初等中等教育における「デジタル教科書」の活用に関しては、生徒・児童の発達過程およびその教育内容との関連についてこれまでに行われてきた検討・試行・研究を、技術の進化を踏まえて、さらに深めていく必要があります。
まさにここは気になるところですよね。
教育を高めていくことを考えた結果、デジタルの教科書になるのはいいのですが、最初からデジタルの教科書ありきでは話が違いますよね。私の感覚でもデジタルのものは読むにはいいですが、教科書として使うとなるとなかなか使いづらい感じがします。そういった教育を受けているからかもしれませんが。
■チェック項目
- 事項1: 「デジタル教科書」の導入が、手を動かして実験や観察を行う時間の縮減につながらないこと。
- 事項2: 「デジタル教科書」において、虚構の映像を視聴させることのみで科学的事項の学習とすることが無いこと。
- 事項3: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒が紙と筆記用具を使って考えながら作図や計算を進める活動の縮減につながらないこと。
- 事項4: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒が自らの手と頭を働かせて授業内容を記録し整理する活動の縮減につながらないこと。
- 事項5: 「デジタル教科書」の使用が、穴埋め形式や選択肢形式の問題による演習の比率増大につながらないこと。
- 事項6: 「デジタル教科書」の使用が、児童・生徒どうしが直接的に考えや意見を交換しながら進める学習活動の縮減につながらないこと。
- 事項7: 「デジタル教科書」の使用により、授業の「プレゼンテーション化」や、児童・生徒に対するプレゼンテーション偏重・文章力軽視意識の植え付けが起きないようにすること。
- 事項8: 「デジタル教科書」の導入に際して、教員の教科指導能力が軽視されることがないように、また教員の教材研究がより充実するように配慮すること。
- 事項9: 「デジタル教科書」の導入に際しては、少なくとも当面の間は、現行の紙の教科書を併用し、評価や採択においては紙の教科書を基準とすること。
読めば読むほどその通りだな~って思います。
あとはこれを実際に運用していく方法をどうするかなんですが、そこはなかなか難しそうな感じです。デジタル教科書を見るための端末の問題もありますし、そういったものは年々進化するでしょうから、毎年買い替えるのも面倒ですしその都度使い方を覚えるのも面倒ですよね。
やっぱり最終的には教える側と教わる側のやる気でしょうか。