鈴木敏文の「統計心理学」を読んだ
ちょっと古い本ですがアマゾンで100円だったので買ってみました。「仮説を立てて検証をする」とよく言われますが、実際にどうやるの?となった時の具体例が多くてとても参考になりました。
■データ=事実、人の言うこと=なんとなく
店員やオーナーが日頃く感じてることっていわゆる「現場の声」ってやつで、生の声が上がっているように感じますが、実際は店員やオーナーのフィルタがかかっていることになります。報告は事実だけを話すようにするのはビジネスの基本ですが、人間はどうしても主観的なものが入ってしまいます。時にはそれはいいかもしれませんが、判断をするときには事実以外は余分です。自分が見ることができない現場をどう見るのか?と考えた時に出てくるのが正確なデータとなるわけです。
※閑話休題
これは部下を信じていないわけではなくて、事実が知りたいだけです。上司が部下の報告にツッコミを入れるのは知りたいからであって、ケチをつけているわけではありません。そのあたりを勘違いしないようにしましょう。
■あとは仮説と検証
このあたりに関しては事例が豊富です。
絶好の釣り日和の日に海辺の釣り場の近くのお店では「時間が経っても傷みにくいおにぎりが売れるのではないか?」との仮説を立てる。→POSシステムで当日の情報を見ると大当たり!などなど。
ある意図をもって行動してそれを検証することで次の手を考えるわけですね。もし仮にこれが失敗していたとしても、おにぎりじゃない商品だったのか?おにぎりだったとしても他のおにぎりだったのか?を調べて、ふたたび仮説→検証をすることができます。
※閑話休題 その2
経験とは「ある意図をもって行動してそれを検証していくこと」であって、「漫然と実行する」ことではないです。目の前のことを片付けていてもスライムを倒し続けているだけですので注意しましょう。
■読み終えたら金言で
巻末に金言として鈴木敏文さんの言葉がまとめられています。「「データを記録として見るのとマーケティングに使うのでは読み方が違う」、「人間は自分が納得しやすい話をつくりたがる」などいつ読んでもハッとさせられる内容なので、定期的に目を通してみるといいと思います。
日本経済新聞社
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