マネー・ボールを読んだ
きっかけはこのツイート。
もともとスポーツは好きなのでそれとビジネスを絡めた本はとても興味があるのです。というわけでさっそく読んでみました。
■金がない球団がどうやって勝つか
オークランド・アスレチックスをご存知でしょうか?ちょっと昔はマグワイアとカンセコのバッシュブラザーズを擁してガンガン打つチームだったんですが、この本の時代の2000年代前半はお金もなくなってしいました(年俸総額はヤンキースの1/3程度)。その中でどうやって勝つのか?をビリー・ビーンというGMを中心に書かれた話です。日本で例えれば広島がどうやればセ・リーグで上位に出ることができるのか?といった感じです。
■塁に出続ければ攻撃は終わらない=点が入る
この仮説をもとにチーム作りを進めています。打率、打点、本塁打ではなくて出塁率を重視する考えです。1番から9番まで全員ホームランバッターでも得点は入るような気がしますが、一人の選手が打つのは2.5試合に1本程度。しかもソロであれば1点です。打率もどんなに高くても.350ぐらい。しかし出塁率は.400近くの選手はいますし、実に地味な選手でもこれぐらいの数字を持っていたります。フォアボールでも何でもいいので塁に出れば攻撃は続きますし地味な選手=安いので、目的である「金がない球団がどうやって勝つか?」にピッタリなわけです。
で、どうなるかは本を読んでのお楽しみ・・・(笑)
■目的があって(勝つ)、条件があって(予算が3000万ドルぐらい)、仮説を立てて(出塁率重視&安い選手)、それを検証し(過去のデータ分析)、実行する(獲得しプレーさせる)
やっているのはただそれだけです。
仮説を立てることができればそれを検証することができます。野球のように数字が細かく残されている場合は過去の数字の分析からある程度未来がわかります。そこでいけそうであれば実行する価値があります。あとはそれを実行することができる組織であるかどうかが問題になるだけです(ここが大問題ですが)。
こういった話が出てくるとやれ分析だ、やれ出塁率だとなりますが、目的と仮説と検証を気にするべきですよね。場合によっては盗塁と送りバントの方がいいかもしれませんし、打率重視がいいかもしれませんから。
この本は目的、条件、仮説、検証、実行の考え方や流れを詳しく教えてくれますので@semlaboさんがつぶやかれているように最高のビジネス書の一つだと思います。
面白くてあっという間に読めるので皆さんもぜひご一読を。
ランダムハウス講談社
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