小さい会社のGA4導入はこう考えるといいと思う(ECとBtoB、22年2月時点)
GA4を導入すればいいのかどうなのか?という連絡がちょいちょい来るようになってきました。東京あたりでは今年は本格導入の年になる!と言っていますが、小さい会社はどうすればいいのかという記事はないので、私が思うところ書いておきます。
そもそもGA4とはなんぞや?
App+Webプロパティと呼ばれていたものの名称変更で、正式には「Google アナリティクス 4 プロパティ」という名称です。今までのユニバーサルアナリティクスとは全く別物です。GA3やGA2はあるのか?と聞かれることもありますが、それはなくてユニバーサルアナリティクスとかいろんな名称があるので「4」を気にする必要はありません。
説明すると長くなるのでこのあたりの記事をお読みください。
2つ知っておいてほしいことがありまして、1つ目は先の述べましたように「今までのGoogle アナリティクスとは完全に別物」ということです。なので今までできていたことができなくなるでしょうし、今までとは数値がずれるでしょうし、今までの考え方では使えないということです。
2つ目はレポートは自作することになるいうことです。基本的なものはあってもそれでは不十分なので、GA4の画面で作るか、Google データポータルやTableauなどのBIツールで作るか、BigQueryも導入してさらに高度なことをするのかとなります。
小さい会社にはどちらも重荷というか高い障壁です。
ECの場合は導入できないことがほとんど
ASPのカートは導入しなくていいというか、できない
小さい会社のECの多くはフューチャーショップやMakeshopやBASEなどのいわゆるASPのカートを使うことがほとんどだと思います。これらのカートでのGoogle アナリティクスの設定はIDを入れるだけになっていて自分でタグを埋め込むこともありません。つまり、カート側がGA4に対応しない限り何もできないのです。
そして、GoogleさんのことなのでGA4の仕様は頻繁に変わるでしょうから、カート会社さんは対応する余裕もないはずです。GA4を入れれば売上激増!ってことにもならないので優先度は低めでしょう。
ちなみにShopifyの場合も同じです。対応してくれるのを待ちましょう。
EC-CUBEの場合も様子見でOK
EC-CUBEは自分で何でもできるよね?と思われた方も様子見でOKです。
手間をかけて導入したからと言って前述のように売上が変わらないからです。設置の費用の分だけ赤字です。プラグインができて簡単に設置できるようになって、GA4も安定してきたぐらいで問題ないでしょう。
BtoBの場合はギリギリまで導入しなくて問題なし
小さい会社でBtoBの場合は現状のGoogle アナリティクスが使えなくなるというアナウンスが出たり、メンテされなくて使えなくなるまでは切り替えなくても問題ありません。
そもそもアクセス数が少ないのでGA4のウリの1つである機械学習なんてものは動きませんし、自力でレポートを作る余裕もないでしょうから、レポーティングツールなどが出てくるのを待っていればいいです。もしくは、データポータルでテンプレート的なものができるとか、書籍で分析の型のようなものが決まってくるぐらいを待っていればいいでしょう。
現状では小さい会社はGA4の情報だけ押さえておけばいいです
導入できない・しなくてもよいからと言って何もしなくていいわけではないです。GA4がどこまで進化しているのか、どんな機能が追加されたのか、書籍・記事などが出ているのか、などをチェックしないといけません。ここを怠ると本格導入の時に慌てることになりますので、きちんと準備しておきましょう。
HAPPY ANALYTICSの小川さんの資料は必須
資料ダウンロード | 株式会社HAPPY ANALYTICS
こちらにある「Google Analytics 4」説明資料です。変更があると更新されますので後述の小川さんのTwitterをフォローして見逃さないようにしましょう。
アナリティクスアソシエーションのセミナーもチェック
アナリティクスアソシエーション (a2i) |アナリティクスの協議会
こちらでGA4のセミナーをちょいちょい開催しています。単発受講もできるようになっているのでメルマガ登録していただくかTwitterをフォローしておきましょう。有料個人会員なら16,500円(税込)ですべてのセミナーを見ることができてアーカイブもあるのでおススメです(宣伝)。
フォローしておきたいTwitterアカウント
他にもGA4のことをツイートしているアカウントはありますが、増えすぎても追えないのでまずはこれらのアカウントをフォローするかリストに追加しておきましょう。
ひとまずこのあたりからの情報を押さえておけば何かしらの変更があっても気づけます。
仮に導入するとしてもGoogle タグマネージャー(GTM)の導入は必須
GA4とGTMはセットで
GA4はイベント単位でのデータ取得で、そのイベントはGTMで設定して新たに取得することができます。つまり、GTMが入っていないとGA4の力が発揮できません。初期設定でもそれなりに使えますけど、それなりです。
GA4のタグを新たに設置するのであればGTMを設置してそこから設定をしましょう。
GTMを入れるのならタグも整理しましょう
既存のGoogle アナリティクスのタグ、広告関連のタグなどいろいろなタグが入っていると思いますので、GTM導入を機にこれらを整理してGTMにまとめてしまいましょう。使っていないタグを設定しておくのはなにもいいことがないですし、GTMであれば制作会社にタグの設置を依頼しなくてもいいので簡単です。
どうせならリニューアルも?
どんなタグが入っているのかわからないとか、モバイル対応できてないとか、Core Web Vitalsにある程度対応したいとか、デザインも古いとか、WordPressがプラグインだらけで整理したい、など課題はあると思いますので、GTMを入れてしまうのであればこのあたりもすっきりしてしまってもいいと思います。
作りがしっかりしていないサイトは何をやろうと思ってもここで引っかかるので、GA4を入れたとしても意味がなくなってしまいますから。
小さい会社のGA4導入でよくある質問
過去比較のためにデータを貯めろといわれるけど?
GA4は自分でイベントを設定できますしカスタムディメンションも設定することができます。なのでここがきちんと決まっていないデータを貯めたところであまり意味がありません。設定が変わったデータは簡単に比較できないですから。決めようにもまだまだ仕様がかっちりと決まっているツールではないので、何度も設定しなおして出した数値を補正するのであれば、仕様が固まるのを待った方がいいでしょう。
頑張って導入したのに「どの数値が正確なの?」としか聞かれないと徒労感があります。
また、コロナの影響で昨年対比が意味をなさなくなっていることもありますし、小さい会社ではKPIが決まっていることもないのがほとんどなので、増えた減ったという話自体がされないこともあります。減ったからといって広告費を増やすなんて判断にもなることもなく、SEOにお金を投下することもなく、タダでできることはないの?となるぐらいでしょう。
つまり、現状でGoogle アナリティクスが活用できていないと思う場合は過去のデータを気にする必要はありません。
新しい方が高機能では?
はい、高機能です。使いこなすことができればですが。
現時点でGA4を使いこなせてます!という人は東京の会社に転職することをおススメします。好条件で転職できると思います。
書籍はありますか?
発刊はされていますがすぐに内容が古くなるので前述の小川さんの資料が良いと思います。
セミナーはありますか?
前述のTwitterアカウントをフォローしていただければセミナー情報も入ってくると思います。
今もゴリゴリ分析しているのですが?
すでにGA4を試験的に導入して機能を確認されていると思いますので、この記事の内容は無視していただき先端の情報を追いかけてください。
GA4が嫌いなんですか?
そんなことはなくて、反対に使っていて面白いツールです。自由度がものすごく高いので自分の好きなようにGoogle アナリティクスをいじることができますからね。
ただ、企業に導入するには何かとハードルが高いと思っているだけです。
焦らずに冷静な判断を
導入した方がいいといわれた、現バージョンが終了するといわれた、新しいからこれにした、などなどの理由でGA4を導入することもあると思いますが今すぐに導入しないといけない理由はありません。
焦らずに冷静に判断していただければと思います。