アイデアを出そうと思ったら自分にとっての三上(さんじょう)に気づくことが最初なのかも。
外山滋比古さんが亡くなったというニュースを見ました。
外山さんといえば思考の整理学が有名ですよね。この本は私も何度も読んでいて大学の授業でも必ず学生にすすめています。その中に「馬上(ばじょう)」「枕上(ちんじょう)」「厠上(しじょう)」という言葉が出てきます。この三上という言葉は文章を練るにはこの3つの場面が良いという意味で、現代でいえば「移動中」「寝る前」「トイレ」となるでしょうか。
これを知ってから何かしらのアイデアを出さないといけない時は意味もなく電車に乗ってみたり、さっさと寝てみたりしてます。なぜかトイレではアイデアが出ないのですが。
無駄に5分歩く
さて、話は変わって事務所までの行き帰りの話。
最寄りの地下鉄の駅までは自転車なので自転車置き場に置いてから駅まで歩いていきます。普通はできるだけ駅に近い場所を選ぶところを、私は5分ぐらい歩く遠いところに置きます。常に空いているというメリットもあるんですが、この5分歩くことが必要だと思ったんですよね。
駅から近いと降りてすぐに自転車に乗ってと連続的にやることが出てきます。この間、頭はそのことをどうしても考えてしまうわけで、他のことに使われません。タスクを処理している状態でしょうかね。
5分歩くときはなんとなく空を見上げたり、周りの看板や張り紙を見たり、店を見たりと、たいしたことに頭を使っていません。そうするとなぜかこのタイミング何かをひらめいたり、忘れていたことに気づいたりします。頭がタスクを処理しない時には何かしら違う動きをすることでそれをリセットしているのかもしれませんし、たんに外の刺激を受けているだけかもしれません。
とにかく、この5分が自分にとっては貴重な時間です。
休ませる効果
パンを作る時は生地を休ませます。唐揚げを作る時もたれにつけておくとおいしくなります。PCも熱を持ったら休ませます(仕事をしたくないだけかも)。
とにかく、次に工程があるというか何かすることがあるという時の前には休ませることが必要なのかもしれません。で、頭を休ませるのが「三上」なのではないか?と思ったわけです。三上に気づいた欧陽脩は単にこの3つの場面で頭が休まったんでしょうね。
ただし、休もうと思って休んでしまうとタスク処理モードになってしまうので、自然に生まれるボヤっとした時間を作っておくのがいいのではないかと。電車の中で音楽を聞いてもいいでしょうしゲームをするのもいいですが、スマホも見ないで何もしないでいたらアイデアが生まれるかもしれません(満員電車はそうはいかないかも)。
休ませるというか忘れるに近いかも。
効率的なことが非効率
アイデアを出すためにブレストをしたり○○法的なことをすしてもなかなかい良いアイデアって出ません。人間、出せといわれて出るものはそんなにないのでしょう。であれば出るのを待つしかなくて、出やすい環境を作ったほうが効率的です。
やることにあわせてそうなってしまう環境を作ること考えるのが最初かも知れないですね。
というわけで、このお題を思いついたのは自転車置き場までの5分で、記事は近所の喫茶店で書いてます。