地方(名古屋)在住フリーランスがアクセス解析を仕事にそれなりに食べてきたつもり
地方(名古屋)在住フリーランスがアクセス解析を仕事に食べていくということ | Google アナリティクス | 天然パーマのふたむらくん日記
を読んで思ったことをブツブツと。
大前提として知識があること
どんな仕事でもそうですが、それで食っていこうと思えば大前提として知識と経験が無いといけません。ここ無しに営業がとか、レポートがとか、なんだとか言っても始まりません。
どんな感じで知識を得てきたかをまとめておきます。基本的にGoogle アナリティクスです。これ以外は有料ツールであることが多いので、地方ではちょっと難しいということで。
衣袋さんの連載は全て読んでおく
- リサーチ/データのリテラシー入門——調査統計の基礎知識 コーナーの記事一覧 | Web担当者Forum
- データをざくざく処理するためのグラフの読み方、使い方 コーナーの記事一覧 | Web担当者Forum
- 衣袋宏美のデータハックス コーナーの記事一覧 | Web担当者Forum
- 有名サイト、かってに解析! コーナーの記事一覧 | Web担当者Forum
- Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座 コーナーの記事一覧 | Web担当者Forum
- Googleアナリティクス セグメント100選 コーナーの記事一覧 | Web担当者Forum
- 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座 コーナーの記事一覧 | Web担当者Forum
ちょうど私がこの仕事を始めたころから始まったのが衣袋さんの連載で、当時はなにも分からない素人だったのでとっても参考になったわけです。データの見方・使い方・GAの細かい仕様・ヒューリスティック分析、このあたりは一連の連載をしっかり読んでおけば何とかなると思います。量が多いとか古いとか関係なく読むしかないです。なんといっても無料ですから。
Google アナリティクスに関してはどんどん変化して今のものになっているので、過去の歴史も知っておいたほうがいいです。初期にあったレポートと今あるレポートでは同じ数字のように見えて実はそうじゃないことも多いですし、必ずはまる参照元の仕様、知っておかないといけないクロスドメインの設定などなど、ここを読まずして他の記事を読んではイカンのです。
ググるといろんな記事が出てくるんですが基準は衣袋さんの記事です。
衣袋さんの講座はできるだけ受講しておく
Googleアナリティクスのセミナー・研修 ┃ 株式会社クロス・フュージョン
いつまで受講できるか分からないので、チャンスがあれば受講することをおススメします。実際の中身はかなりマニアックというか詳細なので、上記のWeb担の連載が理解できていない人にはつらいと思います。
地方の人からすると交通費などもかかるので高いと感じるはずですが、この道で食っていこうと思えばこれぐらいの投資はしないといけないでしょう。あやふやな知識の人に仕事が来ることはないですから。
実際に私も独立してお金がなかったころに受講したので、何度も申し込みもを悩んだ経験があります。それでも、やはり受講してよかったと思えますし、これがなかったら今の仕事をしていないと思います。
関連する本は可能な限り読んでおく
「アクセス解析」「Google アナリティクス」とタイトルについている書籍はなんでも良いので読んでおくと良いでしょう。私はとりあえずこのあたりの本は可能な限り読むようにしています。重複する内容が多くても、どこかにはその本にしかないことが書かれていますし、共通で書かれていることは重要なことですからね。
- アクセス解析で参考になる書籍を教えてください。 – ズバッと解決!Google Analytics | 運営堂
- Google アナリティクスで参考になる書籍を教えてください。 – ズバッと解決!Google Analytics | 運営堂
ちょっと古い&数が少ないですがこのあたりは必須。
自慢でも何でもなくて、これを仕事として報酬をいただくわけですから、これぐらいは最低限やっておかないといけないです。というか、やらずしてお金を請求するのはちょっと失礼というか詐欺とはいかないまでも無責任じゃないかと思ってます。お金を払う側になって考えれば当然かと。
経験を積むこと
これもそうですよね。経験がない人に仕事は来ないです。
無料で解析させてもらう
素人同然なので無価値ですから当然報酬はもらえない前提ということで、私は無料でどんどん解析をやっていました。地方の人は「無料」に弱いということもありますが(笑)。
で、無料で設置~解析~提案までをやって、その改善案で上手くいったら今後は有償で定期的にデータを見せてくださいor改善施策を有償でやらせてくださいという話しをしました。
これをやると良いことだらけで、タグ設置の時に制作会社さんと話すとどうやればスムーズに設置してもらえるかもわかりますし、どこがネックになるのかもわかります。自分で設置する場合はFTPであったりWordPressぐらいは知っておかないといけないので、これもいい経験になります。指示書を作るにしてもこの経験が無いと相手の気持ちが分からないので、自分でやっておくのは大切です。
改善施策にしてもそうですね。実際に施策を実行する側にならないと机上の空論のような提案をバカスカ出してしまいますから。改善施策は「早くて」「安くて」「効果の出る」ものを提案しないといけないので、効果だけを考えていても通りません。その感覚というか提案の方法というか、いわゆる政治力というか、結果を出すまでまでのプロセスは知っておかないといけません。
これがわかると、改善提案の仕方も全く変わって、データを出して・・・からメリット・課題・施策・費用・スケジュール・裏付けデータ、的なものになるわけです。レポートの書き方が分からん人は施策の実施まで一人で全部やってみるとよ~くわかると思います。
規模が小さいのが地方の良いところなので、全部自分が仕切ることは可能です。
他の人がやっていることを聞く
自分だけでは世界が狭いですからね。
二村さんもおすすめの
アナリティクスアソシエーション (a2i) |アナリティクスの協議会
のセミナーや交流会に行くことをおススメします。最初は何を言っているのか分からんと思いますが、半年ぐらい出続けることで理解ができるようになってきます。
こちらも、私はお金がないころに皆勤賞で参加しておりました(笑)。
ここでできたつながりに助けられたことはとっても多いので、地方の方も積極的に参加することをおススメします。
とにかく、時間とお金を理由にして何もしないのはダメです。
アクセス解析だけで食べようと思わないこと
最終的にはここのスキルを使うわけなんですが、上に書いたように無料でいろいろやってきたので、他の収入源が無いといけなかったんですよね。
で、それが制作とか広告運用といった周辺の作業です。施策を実施するにはこのあたりが必要なので一石二鳥。かつ、相手もこのあたりの費用は出してくれ安いというメリットもあります。
とにかく地方でやっていくには「なんでもできる」ことが求められます。私はこんなことをやってました。
WordPressで自分のブログを作る
ドメインを取って、レンタルサーバーを借りて、WordPressをインストールして、ブログを書いて、という流れ。デザインだけは他の人にお願いしました。
ドメインってSEOに関連しますのでここをしっかり考える習慣が身につきます。過去に悪いことをしていたドメインを取ってしまうと何ともなりませんからね・・・。
サーバーに関しては読み込み速度や制作の人のやりやすさにも影響しますので、ここも知っておかないと物事がスムーズん進みません。
WordPressは使っているサイトが多いので、webに関わる人は知っておかないといかんやつです。WordPressは全国で勉強会が開催れているので私もこれに参加して、詳しい人たちとつながれたのが今でもメリットになっています。
記事に関してはいわゆる「コンテンツ」なので、これができない人がアクセス解析をやっていてはイカンだろうというレベルだと思ってます。記事にしろSNSにしろなんにしろ、どんなことをどう発信するかが分からないと施策なんで考えられません。もちろんSEOにも関わってきますよね。
ここで書いていた内容をa2iのメルマガで拾っていただいて・・・という幸運もあったので発信することをはとっても大切。
自分でアクセスを集めることができれば、Google アナリティクスとかGoogle タグマネージャーの実験も自分のサイトでできるようになるので、お得なことだらけです。
周辺のコミュニティにも行く
WordPressだったり、リスティング広告であったり、SEOなどのセミナーやコミュニティに参加するということですね。
ここでは知識と経験も得られるのですが、もう一つ良いことがあります。それは仕事があるということ。
アクセス解析をやっていれば、制作やリスティング広告やSEOが必要となるのと同じで、制作やリスティング広告やSEOの人も解析ができる人を求めているということです。世の中で「パソコンに詳しい人」に何かと仕事が来るのと同じ仕組み。「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」ということわざというか、マーケティング的には魚がいる池に釣り糸を垂らすということ。
関連しそうなところにはどんどん顔を出すことをおススメします。幸いなことにSEM、SEO系のイベントは頻繁に開催されていますしね。
関係なさそうな仕事もする
地方でやるには収入源の確保かつ経験を得るという意味でも他の仕事もしておいたほうがいいです。
というわけで、私は大学の非常勤講師だったり、Moodleのサポートをしていたり、食えない時は家電量販店でパソコンを売っておりました。
ECをやろうとすればオムニチャネルというかリアルのことを知っておいたほうが良いので、パソコン販売の経験は役立っておりますし、セミナーとかに呼ばれたとしても講師の経験があれば何かと便利です。
そんなこんなで、よほど変な依頼でない限りはどんな仕事でもやったほうがいいと思います。そして、いろいろできるようになってから絞っていけばいいです。
くどいですが、何の知識も経験もないのにアクセス解析で食っていこうとするのは無謀です。
作業を売らないこと
レポート作成とかですね。
企業から作業の依頼が来るということは、社内よりも安く・早く作成したいからです。できる人がいなくて依頼が来ることもありますが、その場合は発注スキルに問題があるというか、どんなレポートを作ったらいいのかが曖昧になりがちなのでこっちも危険な案件。
しかも、毎月変化の無いレポートを作成するために自動化を考え始めたらさらに危ないです。量と速さで勝負をするのは資本があるところだけ。
地方でフリーランスをやっているような人間は、超属人化してしまってその人しかできないことをやったほうがいいです。作業でなければ誰も引き継げなくても問題ないですし、考え方や手法などであれば教えるというかどんどんノウハウを公開して伝えていけばいいですよね。
教育とかコンサルとかそういったことをしろと言っているのではなくて、自分の知っていることを相手に渡して、社内で回せるようにしていくということです。それができるようになれば一段階上に進めますので、自分も成長しながらお客さんも成長していけるわけです。
経験を得るための作業は良いけど、稼ぐための作業はじわじわと減らしていきましょう。
まとめというか
アクセス解析(Google アナリティクス)なんてそんなニッチな仕事あるの…?なんて声も聞きますが、
できないやれない。ではなくて、やること前提で逆算すべきだと思います。
もっと言うと、やれる理由ややるべき理由を考えることです。
二村さんの書かれた通りだと思います。
やれない理由なんてなんでもいいんですよ。そんなことを考えるってことはやりたくないことなので、さっさとアクセス解析をやめてしまったほうがいいです。
やりたいのあれば前だけを向いて進むしかないです。
地方では便利な人に仕事が来る傾向にあるので「素人以上プロ未満で幅広いことを知っていて施策も回せる人」をまずは目指すと良いと思います。
何をするにしても、事前調査でデータが必要ですし、やった後のチェックにデータが必要なので、その時にアクセス解析をやればいいです。決してそれを前面に出し過ぎないこと。
余分なことを言うとすれば
飲みに行ったり、遊びに行ったり、他のことをしている暇があったら勉強なり何かしろということ。
フリーランスは勤務時間に関係なく仕事し放題なので、ここのアドバンテージを活かさない手は無いです。
量をこなした先にしか見えないものってあります。