Google アナリティクスで、CVユーザーが見たページをセッションをまたいでそれっぽく計測する方法
ちょっと前のツイートがそこそこ広がったので、もう一歩踏み込むというか使いやすくする方法です。
広がったのはこのツイート
コンテンツマーケティングをやっている人はこの二つをGoogle アナリティクスの保存済みレポートに登録しておくと便利です。間接的に役立ったページがわかるのと、どこから来た人が・どの検討段階(作成したコンテンツを対応させておく)なのかがわかりますので。 pic.twitter.com/DZQVrrFMJH
— 森野誠之 (@uneidou) 2019年5月15日
Google アナリティクスって最終CVには強いんですが間接CVにはちょっと弱いです。ですので、何とかしてコンテンツの間接効果を見ようということですね。
ツイートした画像はこれ。
コンバージョン→マルチチャネル→アシストコンバージョンでプライマリディメンションをランディングページ
コンバージョン→マルチチャネル→コンバージョン経路でプライマリディメンションを参照元/メディア、セカンダリディメンションをランディングページ
これだと複数セッションでCVしたユーザーの参照元/メディアとランディングページがわかるので、なんとなくどんなコンテンツが貢献したのかがわかります。しかし、ランディングページしか分かりませんので、セッション中にどんなコンテンツを見たのかが気になるわけです。
つまり、1回のセッションではなく複数のセッションでコンバージョンに貢献したページと経路を見たい。ということです。
ページの価値は便利ですけどセッション単位ですし、ユーザーエクスプローラーをチマチマ見るのはしんどいですし、コンバージョンしたユーザーのセグメントを使うとサンプリングが・・・というもどかしい状況を解消するのが目的です。
別プロパティを作成してセッション時間を1分に設定する
なぜこんなことをするかというと、マルチチャネルではCVユーザーの複数のセッションでのランディングページを見ることができます。つまり、ページを遷移する前にセッションが切れていれば、ページの遷移がランディングページとして表示される、ということです。
Google アナリティクスでセッションが切れるのは主にこの3つ
- 何もせずに30分が経過する
- 参照元が変わる
- 日付が変わる
参照元を変えるにはutmパラメータをwebサイト内のすべてのリンクに設置すればいいのですが、通常の計測に与える影響が甚大なのでやる意味はありません。
日付を無理やり変える方法もありません。
ということで、セッションが切れる時間を変えてしまおうということを考えます。Google アナリティクスはセッション時間を1分~4時間の間で変更できるんですよね。
余談ですが「何もせずに30分経過」でセッションが切れるのは、デフォルトの設定が30分というだけのことです。絶対に動かせない仕様だと思っている人も多いと思いますが、そんなことは無くて自由に変えられます。
設定はセッション設定から
既存のプロパティでセッション時間を変えるととんでもないこと(詳しくは書きませんがホントにとんでもないこと)になるので、新規プロパティを作成してセッション時間を1分に変更します。Google タグマネージャーでGoogle アナリティクスタグを配信すると便利ですね。設定はここから。
これでほっといても1分でセッションが切れるようになります。
Aというページで1分以上滞在していればセッションが切れて、次に遷移したページがランディングページとなります。1分未満での遷移は追えないですがそこは仕方がないということで。
こんなデータになります
アシストコンバージョンのランディングページ
セッション時間1分の場合のデータ
セッション時間30分の場合のデータ
www.uneidou.com/mailmagazine/とwww.uneidou.com/faq/mailmagagine/というページが1分のデータには出てきていますよね。こいつがコンバージョンしたセッション中に見られたコンテンツです。
コンバージョン経路のランディングページ
セッション時間1分の場合のデータ
セッション時間30分の場合のデータ
ここは明確に差が出ていて1分の場合は途中のコンテンツまで経路に入ってきていますよね。
というわけでこの設定で検討段階のユーザーがどんなコンテンツを見て、どれぐらいの貢献をしたのかがなんとなくわかるはずです。おそらくECサイトやBtoBのサイトでは会社概要だったり商品・製品のページなどが出てくると思います。
注意点
- いわゆる「〇回目の訪問でCV」は分からなくなります
そもそものセッションをいじっていますので。30分のデータと比べればなんとなくわかります。 - 参照元の経路はやたらとdirectが増える
セッションを切っているのでそりゃそうですよね。 - directがサイト内の遷移か本当のdirectかが分からなくなる
貢献したページを見るのが目的なので仕方ないということで。 - 正確な動線ではないので参考程度にしかならない
正確な~っての言い出すとキリがないので。
完璧にわかる設定を追い求めてもいいですが、今まで知らなかったことがなんとなくわかるだけでも次の手が打てます。計測にかかる時間やコストを考えればこんな方法でもいいですよね。
今まで見向きもされなかったコンテンツに価値があるかもしれませんし、これが見られているのならこんなコンテンツってなるかもしれませんね。