老舗と家訓~現代商法を問い直す~を読んだ
Webマーケティングやら日々の最新情報を収集しているとどうしても新しくて細かいことに頭が偏ってしまいますので、古くて大まかなことを知っておこうと思って購入。昭和49年に書かれた本なので私と同い年です(どうでもいい)。
メモ的に。
内容は古文と漢文
老舗の家訓を取り上げて解説されている本なので、当然のことながら古文と漢文が多少は分からないと読むことは難しいと思います。ちゃんと理解しようを思うと最低でも中学レベルの古文と漢文ができないとダメなので、購入する前にそこはクリアしておいてください。
金銭ヲ貪人ハ子孫ニ愚ナル者出生シテ先祖ノ遺業ヲ亡ス。金銭ハ一銭タリトモ不義ノ財ヲ取ルベカラズ
といった文章がずっと続きますので。
内容は同じことが繰り返されることもあります
商いの根本について解説された本なので、その部分が繰り返されることがあります。1つのことが他のことに関連しますし相互に絡み合っていますので。
ですので、既に出てきたものはサッと飛ばしてしまうと時間がかからずに読めると思います。
P.198の「家訓の作り方」を押さえておく
P.198の「家訓の作り方」がまとめ的に書かれていますので、最低でもここは読んでおきたいところです。簡単に箇条書きにしておきます。
- 垂訓
渡世哲学と経営哲学の両面が盛り込まれており、人類社会の発展と調和した姿で表現されていなければいけない - 修身
天地に恥じない道徳の実践者たるべきこと - 斉家
家族が良くまとまっていること - 勤勉努力
勉学は幸福の母 - 質素倹約
身分相応のことをして人のために尽くす - 堪忍
怒りは敵と思うべし - 知足分限
「うえをみな」「みのほどを知れ」 - 用心と養生
酒と女と欲を敵と知るべし - 正真正銘の渡世
不義を働かず正直な暮らし
道徳の教科書みたいですが、なんでこれが必要かが本に書かれていますので、またかと思わずに読んでみてください。
成長というよりは生き残りの本
何百年も続いていればそうなりますよね。
良いときもあれば悪いときもあると思いがちですが、悪いときがあると潰れる危険性がありますので、そもそも悪いときが来ないようにするのが基本です。世の中が悪い時があっても、自分たちはそうじゃない(やっていける)という状態。
このあたりは経営者の考え方次第でしょうが、個人的にはこっちがしっくりきます。
温故知新、万古不易。
ということで。