『超明快 Webユーザビリティ ―ユーザーに「考えさせない」デザインの法則』を読んだ。
ビー・エヌ・エヌ新社 (2016-06-24)
売り上げランキング: 46,123
Webサイトってあーでもないこーでもないって議論になりますよね。このボタンを目立たせたいとか、分かりづらいから文字を大きくしたいとか、色を濃くしたいとかってやつです。
こういった議論に対する解ってのは存在しなくてやってみて結果を見るしかないんですが、ユーザービリティについて勉強していれば間違いじゃない選択肢を選ぶことは可能です。
売れるとか効果が出るとかABテストとかヒートマップとかなんだとかいろんな手段やツールがあったとしても、その前にわかることってあるんですよね。Webサイトのユーザービリティって、Webサイト制作の型というか昔から伝わる経験則からできているものなので参考にしない手はないです。
■ユーザーに考えさせちゃダメ!
第1章のタイトルです。考える=悩ませるということ。
トイレの場所が分かりづらいショッピングモール、エレベータの場所が分からないデパート、出入り口の分からない野球場、問いあわせ先の分からないカスタマサポート・・・。現実世界であり得ないことってWebの世界では当たり前のように起きてますよね。
なんでこうなってしまうかというと、見た目を気にしすぎる・言いたいことを前面に出し過ぎる・どれも目立たせたい、の3つが大きいかな~と思います。ブラウザには「戻る」ボタンがありますのでこうならないようにスムーズに誘導できるようにしておきたいです。
スマホ対応だから1カラムにして・・・ではなくて、話の流れを考えて1直線に進むのであればそれが見やすいでしょうし、選択肢がたくさんある場合はナビゲーションがしっかりしていた方が良いですよね。自分の都合ではなくて使う人を考えましょう。
■ユーザーが考えていること
人はページを読まない。ざっと見るだけ。
人は最良の選択をしない。適当なところで満足する。
人はものごとの仕組みを理解しようとしない。行き当たりばったりでやる。
第2章にはこういったことが書かれています。
自分に当てはめて考えてみてこんな感じではないのでしょうか?読むのが面倒でなんとなくクリックしてよく分からないから他のサイトを見る。
だからこそ、読んで理解してもらうのではなくて見て感じてもらうことを考えないといけません。SEOで文字が必要だから・・・という意見もありますが、それは見せ方で工夫できます。苦労して集めたアクセスなんですからその先を見てもらう努力をしましょう。
■Webサイトで発生するノイズ
- 大音量の絶叫系
- 散らかった部屋系
- 詰め込み過ぎ系
3章はこのあたりと解決方法が書かれています。
これもリアルでは嫌われると分かっていながらWebサイトでは許されているというかまかり通ってますよね。
解決方法として以下のことが説明されています。
- 見出しをふんだんに使う
- 各段落は短くする
- 箇条書きにする
- キーワードを強調する
何がダメでどうすれば良いかが図を用いて詳しく書かれていますので、気になっている人は書籍を読んてみてください。
ちなみにSEOではこんな質問がよくありますよね。見出しの数はどれぐらいがいいですか?とかキーワードはどれぐらい入れたらいいですか?とかです。それの回答は上に書かれているようにユーザーが使いやすいように適切に入れるということです。
■Webサイトに関わる人の共通言語として読んでおきたい
ここで紹介したこと以外にも役立つ内容はたくさん書かれています。
この内容って一部の人だけが知っていても意味がなくて、Webサイトに関わる人すべてが知っておかないといけません。そうしないと青だとか赤だとか、大きいとか小さいとか、右とか左とかの不毛な議論が延々と続いてしまいますし、制作もかかるし会議の時間も長いのに全く成果の出ないサイトになってしまいます。
最適化を考える前にふつ~のWebサイトを作りましょう。
以下、目次
イントロダクション 「はじめにお読みください」
前置き、それから使用上の注意
■ユーザビリティの基本原則
第1章 ユーザーに考えさせちゃダメ!
クルーグのユーザビリティ第一法則
第2章 ユーザーは“実際には”どのようにWeb を使っているのか
ざっと見て満足して、あとはなんとかする
第3章 看板デザイン入門
熟読ではなく、流し読みしてもらうためのデザインとは
第4章 動物、植物、それとも鉱物?
ユーザーが考えなしの選択を好むわけ
第5章 不必要な言葉を省く
「書かない」という技術
■ユーザビリティをWebデザインに活かす
第6章 道路標識とパンくず
ナビゲーションをデザインする
第7章 Webデザインのビッグバン
トップページを正しくデザインすることの重要性
第8章 「きっと仲良くやっていけるさ」
ユーザビリティを議論してもたいてい時間の無駄に終わるのはなぜか? それを避けるにはどうすればいいか?
第9章 1日10円でできるユーザビリティテスト
テストはシンプル、かつ使えるものに
第10章 Mobile =モバイル。アラバマ州モービル市の話ではない
21世紀へようこそ。ちょっと目が回るかもしれないけれど
第11章 礼儀としてのユーザビリティ
Web サイトを立派にしなければならない理由
第12章 アクセシビリティと皆さん
やり終えたと思ったちょうどそのとき、バターを塗ったトーストを背中にくくりつけられた猫がふらりと現れる
第13章 迷える者への道案内
あなたの職場でユーザビリティを実現する
ビー・エヌ・エヌ新社 (2016-06-24)
売り上げランキング: 46,123