「アクセス解析」のモヤモヤと解決策としての1つの方向性
運営堂といえば、アクセス解析というイメージを持っていただいている方は、多いのではないのでしょうか?
それはそうですよね。そういう仕事をしていますし、そんなことをブログで書いていますから。しかし、やればやるほどアクセス解析に対するモヤモヤが大きくなっていきます。そのモヤモヤとそれをどうするか(どうしているのか)についてダラダラと書いてみました。
アクセス解析をしてどうする?
そもそもみなさんはアクセス解析をして何がしたいのでしょうか?
すぐに答えられた方はいらっしゃいますか?
おそらくなんとなく「アクセスが増えてサイトから売上があがりそうだから」、「サイトの状況を知りたいから」がほとんどだと思うのです。
つまり、「サイトの改善点を見つけてアクセスや売り上げを伸ばすこと」。結果を出すためにアクセス解析が必須だと考えて、運営堂に相談してくださるのではないでしょうか。
しかし、アクセス解析で問題点や改善点を見つけ出してもみなさん、行動していますか?キレイなレポートを見て満足していませんか?
以前は毎月レポートを出していましたが、最近はほとんどありません。レポートは結果であって、それを踏まえたアクションができるまでに落とし込めていないことが多いからです。しかも毎月施策を回すにはかなりのスピードが必要なので、レポートの内容が変わらないことも多々あります。
ですので、小規模の会社で経営陣、WEB担当者だけがそれを見ている場合、レポートを見せるとそれだけで納得してしまう場合が多いのです。ここをこうすればいいのか、ふーん、納得。では、何の意味もありません。
具体的なアクションがわからない現場としては、それはデザイナーが、SEO担当者がと、分業制にならざるをえません。「で、結局なんのためにやっているんだっけ?」と作業が止まり、何も変わらないままだということが非常に多いです。
レポートを見て行動に反映される率は2割もないと思っています。もちろんこちらの改善案が悪い場合もありますが、社内事情などに影響されてそのままというケースも多いです。
外注の立場から行動を促したり自分が行動したりすることもありました。しかし運営堂が動いたとしても現場にとっては迷惑で、困るというケースもあって(こちらの問題ですが・・・)、結局「意味が無い」ことになってしまうのです。
独立したアクセス解析専門家は大都市でしかニーズがない?
では、アクセス解析を生業としている人はどうやって必要とされて仕事をしているのでしょうか。
専門の解析者を必要とするのは主に大企業です。規模の大きなサイトを運営しているからこそ専門の解析者が必要となります。サイト上で動く金額が多いので改善で得られる効果も大きいですからね。問題点を見つけ、改善し、改良するスタンダードな解析です。また、学者のように突き詰めて学問化していく方もいますし、企業に入って活躍する方もいます。
しかし、独立した解析者を必要とするような事業を持っている会社は東京などの大都市に限られます。地方都市にそんな需要は皆無(に近い)です。
正直、地方都市でアクセス解析の仕事といえば、「アクセス解析のレポートを納品する」ことか、「広告代理店とともに案件の効果を説得するためのデータ制作」しかありません。
これは、運営堂が考えるには「データが活用されない意味のない仕事」です。
※もちろんアクセス解析の仕事を地方でやっていて、効果も出されている方もいます。
アクセス解析はエンジンを積んでいない
上に書いたようにアクセス解析レポートには駆動力がありません。それ自身にWebサイトや集客や人を変える力がないのです。だからどこまで行っても外野の意見止まりで、出す側も受け取る側もそれを言い訳にできる状況です。
納品ベースのビジネスであればこれで良いのでしょうが、運営堂はここにジレンマというか限界を感じています。
変えることができないのに提案する意味ってあるのか?
変える力を持っていない自分は役に立っているのか?
変えることができたとしてもそれに対して責任を取れるのか?
ずっと悩んできました。
でもやっぱり変えないことには何も動かないので、駆動力を手に入れようと思いました。
もっと結果にこだわりたい
やることは「アクセス解析と課題に最適な実動部隊も提案すること」です。そして、その動きの効果を測定して改善サイクルを回すこと。
アクセス解析をし、課題が見えても行動にうつさず、現状維持のまま。とくに解析結果を制作に移されないことが多かったので、2013年にサイトディレクション会社のグランフェアズさんとパートナー契約を結びました。これでアクセス解析をサイト設計に活かした、制作ができるようになりました。
リスティング広告者同士が集まる「SEMカフェ」にもちょっとだけ参加しています。集客を改善するためには、リスティング広告は外せません。ここで知り合った方々と一緒に勉強させていただいたりして、苦手な集客分野もなんとか対応しようとしています。
また最近は、クライアントから原稿がなかなか出てこないために作業が進まないという問題を解決すべく、コンテンツ作成ができるライターとパートナーになりました。今、リスティング広告も、サイト制作も、ライティングも、コンテンツ制作もすべてできる状態になりました。
さらに、運営堂が株主となって経営に参画するということも始めました。今まで「経営的なことに責任がないからそんな提案ができる」とも言われたこともあったので、経営責任を持ちながら課題解決に乗り出そうと思っています。こんなことは、地方都市で小さな会社にしかできないアクセス解析を活かした仕事なのではないでしょうか。
いままで「できない」ために変わらなかった結果を、きちんと行動したらどうなるでしょうか?必ず結果が出ます。伸びしろが大きいですからね。
気持ちは今でも「アクセス解析」をやっている
私の考えるアクセス解析は「結果を出すための方策を考えること」です。
その方策が上手くいったかどうかの判断指標の1つとしてWebサイトの数字がある。そんなイメージです。それがコンサルティングだと言われればそうかもしれません。
言葉はどうでも良くて、とにかく満足してもらえる結果を出したい。それだけです。
だから今でも気持ちはアクセス解析をやっています。
「アクセス解析」をしている人のキャリアプランの参考になれば
Google アナリティクスを使えるようになって、レポートも作成できるようになって、改善提案もできるようになったけどその先のキャリアは?と考えている人は多いはずです。先の事例があまりにも少ないですから。
5年後ぐらいに何をしているのか?何をすればいいのか?というキャリアプランの例として地方でアクセス解析をやっている私の事例(?)が参考なればと思います。
アクセス解析に特化するのではなくてサイトの効果にこだわって、サイト自体や集客やコンテンツの提案と実施までできるようにして、さらには可能であれば経営に関われるところまで入り込むという流れです。横(他の領域)に広げつつ上(経営側)にも伸ばすというイメージです。
小規模~中規模のサイトの場合は超スペシャリストよりもそこそこスペシャルな能力と普通よりもちょっとできる領域がいくつかある人の方が重宝がられるので、自分がどういった分野に興味があるかで決めればいいかなと思います。
まとめというか
運営堂は、解析と行動、場合によっては経営責任もセットにした提案をしていきます。
地方都市だから専門家が独立していきていけないと思っている、デザイナー、コーダー、プログラマーなどの専門職の皆さんともどんどんパートナーシップを結んでいきたいです。そして、経営者の方とも一緒に悩みながら、サイトを使って経営改善を行っていきたいとも思っています。
アクセス解析を仕事にしている皆さんの進む道の一つとして、何かの参考になれば嬉しいです。