「仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン」を読んだ。
ここのところ配送関連のニュースが気になってましたので読んでみました。配送ってインフラになったにもかかわらず値下げ競争にさらされていますし、使う側も無料というイメージがあるちょっと変わった業界です。また、パンクしつつあるという話もちらほら出ますのでこのへんも知りたかったところです。
■第1章は配送業界の概要
そもそも配送業界に何が起きているかを知るための章です。
ここ知らないと次の話が分かりませんのでちゃんと読んでおきたいですね。しかし、「送料無料」っておかしな話です。ZOZOの前澤さんが言っちゃったようにタダで届くことはあり得ませんので。注文するためのスマホなどはお金をかけているのに、配送はできるだけお金をかけたくない。ここってユーザーのわがままのような気がします。
売る側はここで差がついてしまうのでどんどん安く早く便利なサービスを出してきますが、そもそも配送って有料だよ、ということは認識しておきたいです。人件費率50%を超えているようですし。
■第2章は佐川のドライバーに同乗
実際のドライバーさんに「横乗り」させてもらってのルポです。
Web上のメディアでもたまに出てくるようにやっぱり大変です。しかも稼ぎが悪くなってきているとなれば人も減っちゃいますよね・・・。上に書いたことの繰り返しになりますが、送料無料のしわ寄せはこんなところに出ています。
■第3,4,5章は佐川、ヤマト、日本郵便の歴史
ここは歴史の勉強です。
何といっても佐川さんが際立ってますね~。グレーというか黒っぽい部分の話が多い。そんな時代だったといえばそれまでですが・・・。
ヤマトさんはそれと対照的で日本郵政は縛りがたくさん。そんな内容の章です。
■第6章は配送現場の話
大変な業界ということは分かります。
とはいっても他の業界でもこういった労働環境ってよくあると思うので私はそんなに驚かなかったですが・・・。「佐川で3年働くと家が建つ」という話も過去のことのようです。
■第7章は羽田黒のゲートに潜入
本当に潜入(バイトと)して羽田クロノゲートで働いたときのレポートです。
教育無しでいきなり本番ってのがスゴイですね。短いスパンで人が変わってしまうので教育してもあまり意味がないというのもわかりますが、もうちょっとマニュアル的なものがあってもいいかなと。
本当に忙しい現場ってそんなことやる前に目の前の荷物をこなさないといけないのもわかりますが・・・。
■すべてがこの通りとは思わないですが
筆者が見たり調べたりした限りの内容なので、配送業界の全てが書かれているとは思いませんが、どんどん苛酷になっているのは事実です。
読んだ後は分かるな~という気持ちとちゃんとやらないと気持ちとおかしいだろという気持ちが入り混じってしいました。自分がすべきことは何か、ショップがすべきことは何か、本当に難しいところです・・・。数百円~数千円のものを買って送料が1,000円近くとなったら買うのをためらいますが、そこはまとめて買ったりリアルのショップで買ったりしながら上手くやっていきたいものです。
便利になった一方でそのしわ寄せがどこかに来るのってやっぱり良くないですよね。ネットショップに関わる人やヘビーユーザーの人は読んでみてください。
以下、目次
第1章 迫り来る“宅配ビッグバン”
第2章 佐川「下請けドライバー」同乗ルポ
第3章 「風雲児」佐川が成り上がるまで
第4章 ヤマトはいかにして「覇者」となったか
第5章 日本郵便「逆転の独り勝ち」の真相
第6章 宅配ドライバーの過労ブルース
第7章 ヤマト「羽田クロノゲート」潜入記
終章 宅配に“送料無料”はあり得ない
小学館
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