「サッカーマガジンZONE 2015年 11 月号」を読んで思ったこと
【メルマガコラム】他業界の話が響くのは – サッカーマガジンZONE データ特集(a2i.jp)を読んでこの本を買ったわけですがなかなか面白かったです。サッカーが好きということもありますが、分析している人たちの気持ちがとってもよく分かったからです。
■分析の前提となるものは何か
二人のアナリストのお話しが印象に残っています。1人はフェンシング日本代表のアナリストの千葉洋平さん、もう1人はバスケットボール男子日本代表テクニカルスタッフの末広朋也さん。このお二人がワールドカップアジア2次予選のvsシンガポールとvsカンボジアのデータを分析した時のコメントがとっても気になりました。
お二人ともハリルホジッチ監督やコーチ、選手と話しているわけではないので想定で分析していました。
千葉さん
データを検証する前に、分析の観点を作ることにしました。1試合前のシンガポール戦では多くの攻撃、シュートをしていましたが、残念ながら無得点でした。今回対戦したカンボジアもシンガポール同様に、FIFAランキングが日本より低く、レベルが劣るチームだと思います。引いたディフェンスラインに対し、多くのチャンスをつくっていかに得点を決めるかが課題と考えました。
- 分析の観点=目的を決める
- 過去のデータから課題を出す
- その課題が解決できたかを検証する
ということですね。
末広さん
基本的に私は、チーム戦術を無視して、数字だけで何かを言うことはあまり好きではないのですが、カンボジア戦と、その前のシンガポール戦のデータを見比べていて、目に留まったデータがありましたのでそこだけお話しします。
言えることはあるだろうけど、チーム戦術に合うかどうかを考えるということです。
なんとなく数字を見てそれっぽい改善点を見つけてもダメということで、何らかの観点がないと始まりません。それを自分で設定するのか設定されているものに従うのか。ここはスポーツの分析でも同じなんですね。
■前提をすっ飛ばすので不幸になる
Google アナリティクスが見られるのでレポートを作ってくださいと言われた時に、前提無しで作ってしまうと不幸になるわけです。
仮に千葉さんのように自分で前提を設けてもそれが違っている可能性もあるので、レポートを作る前にチーム戦術=Webサイトでやることがはっきりしていないといけないわけです。ここを飛ばすからレポートが使えないものになってしまう。とってももったいない。
同じ本の中に書かれている大内さんの記事から引用すればこうなります。
企業データの分析は、分析だけが目的ではない。その全体のプロセスは、課題、準備、分析、実行、検証と大きく6つのフェーズに分けることができ、分析はその中のほんの一部でしかない。(中略)かくして、高度(そして高額)な分析レポートが、誰も活用されないまま死屍累々と放置されていくことになる。
■もっと話そう。理解しよう。
私はGoogle アナリティクスと話すこともありますが、やっぱり人と話さないといけません。
最初が上手くいけばあとは成り行きで何とかなります。ゴールが明確なので手段を考えるだけですから。途中で止まっても話し合えばいい方法が見つかるはず。
コミュニケーションを取りましょうね。
※余談
というわけで、レポート作成のみという業務は行っておりません。
話し合って課題を見つけるところからかかわっていきたいためです。