アマゾンにも負けない、本当に強い会社が続けていること。を読んだ。
著者の権さんから献本いただきました。
今まで権さんがセミナーなどでお話しされていたことのまとめといった内容で、ネットショップが最低限やっておくべきことと、これからやるべきことが分かる本です。
■印象に残った部分を紹介します
読んでいく中でズバッと自分に入り込んでくる部分がありましたのでそれを紹介します。
サイトを常に最善に保つのは難しく、たとえできたとしても膨大なコストがかかります。最適解をその都度探していく対処療法的なものでは、長く利益に貢献することは難しいのです。
これは私もそう思います。パックマン(例えが古い・・・)のようになってしまっては本当にキツイ。そうじゃなくて利益が入ってきてしまうような動きをしないと中小企業はもたないです。
結局のところ、中小の販売店が生き残るには、「メーカー化」か、「サービス業化」しかないのです。
自分でコントロールできる何かがないと何ともならないということですね。
自分でコントロールする=自分のブランドがある、となりますので、まずはここから始めないといけません。ある日突然何かが出てくるわけではなくて、今までやってきたことの中からヒントを見つけ出しそれを育てていく。だから今から始めないと間に合わないですし、結果が出るのは半年、1年後、数年後になるわけです。この本を読んでやらなきゃ!と思った人にはそこは知っておいてほしいな~と思います。急激に効果が出るのは上に書いた最適化の繰り返しです。
厳しい言い方ですが、値下げをしなければならない時点で、自分たちが提供しているサービスに大きな価値がないことを認めなければなりません。
型番ビジネスのように価格競争になりやすいものであっても、やり方によっては価格競争を抜け出すことができます。その差は何なのか?他社のサービスを徹底的に調べることでわかってきますので、まずは自分で体感することから始めたいですね。ユーザーがどこに価値を求めるのかが感覚的にわかっていないと、永久に続く価格競争に参加しないといけません。
ネットとリアルのどっちが安いか、どっちで買うかという次元ではなく、すべての大手がネットに進出してきて、店舗と同じように商品が買えるようになります。ネットでのチャネルを持っていない販売店は機能不全とみなされ、選択肢そのものから消えてしまいます。
これ欲しいな~と思った時に買えないと他に行ってしまう可能性が高くなります。ここの競争に参加できるのはそれなりの規模が必要ですから、参加資格がないのにそこに参加してはダメですよね。そうならないためには、待ってもらえるようになること。それができればやってるよ~、ではなくてやらないといけないのです。
結局、便利にするだけではダメで、商品やサービスの価値そのものを高めない限り、より価値の高いものが出てきたら、そっちに流れてしまうわけです。
便利は瞬間的な差別化力になっても価値にはなりません。だってそれが当たり前になっちゃうんですからね。ネットやスマホみたいなものです。便利と自社だけのサービスの違いはやはりブランドというか、そこに根付いた文化になるのでしょう。
今でもネットの活用=アクセス対策だと思っている人はすごく多い。
本当に多いです。もはやアクセス対策はやって当たり前のものでやっていなければおいていかれてしまうものです。まずはここをクリアしてその次・・と考えていればいいのですが、ここが目標になっているとその先が大変です。
今に時代に通用する価値は、今までの自分たちの理念やビジョンから生まれた方がうまくいく可能性は高くなります。
自分たちが意識せずに自然とできるものが差別化力になれば強力です。言い方はおかしいですが「天然には勝てない」ということ。
■本当に強い会社は続けている
タイトルにもありますがそういうことなんでしょうね。
「続けている」けど漠然と続けているのではなくて、どうすれば良いのかを必死に考えて続けています。だからどこかで日の目を見る時が来る。
結果が出るにまでには時間がかかりますので、始めるなら早い方がいいです。この本を読んで思うことがあるのであれば今すぐ始めましょう!
権さん、ありがとうございました!
翔泳社
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以下、目次
第1章 アマゾンに負けない会社の考え方
・こんなとき、あなたならどうしますか?
・知らぬ間に選ぶ、アマゾンとの無謀な戦い
・本当に強い会社、強い事業はこうして生まれる
・経営者の喜びをサービスに変える
第2章 もう、ネット通販さえ儲からない
・売り手と買い手の力関係が逆転した
・集客だけで勝負できた時代の終焉
・顧客が欲しいものを売るのでは不十分
・価格勝負では誰もアマゾンに勝てない
・デバイスの進化で消費者はさらに力を持つ
・オムニチャネルで実店舗も競争に巻き込まれる ・あなたの事業は生き残れるか?
第3章 「選ばれる理由」を磨き込む
・価値こそが選ばれる理由になる
・経営者の価値観を商品で伝える
・自社の強みが差別化につながる
・3Cの成立が最低限必要
・あなたが考える価値は顧客が求めているものか
・差別化の源泉はビジョン
・パッションからミッションを生み出す10年の戦略