【中川】a2i@名古屋 セミナー「企業ウェブ担当者 顧客視点のアナリティクス活用事例」に参加してきました
a2i@名古屋 セミナー「企業ウェブ担当者 顧客視点のアナリティクス活用事例」に参加してきました。
国内でデジタルデータ解析・Web解析の情報交換・勉強・交流の支援を行う「アクセス解析イニシアチブ」様の主催セミナーです。
今回は3人の講師が登壇する盛り沢山の内容です。
名古屋地場および静岡~東京でデジタルマーケティングに注力されている社内担当者、ツールベンダー、Webアナリストのお話が伺えてお腹一杯になりそうです。
参加人数は50人ぐらい?でした。
講師が挙手でアンケートをしたところ、事業会社でのWeb担当:Web関連サービス提供側の比率は目視で1:3ぐらいでしたので、サービス提供側の参加者が多いようでした。
第1部:プロが話す!Google アナリティクスの新機能活用法とその設定【講師:森野 誠之(運営堂)】
概要
機能やインターフェースが日々物凄いスピードで変化していくアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」の最新機能の解説に特化した内容。
アクセス解析を始める際に意識すべき姿勢やステップ
いきなりデータを見る、報告されるデータだけ見ているだけではアクションや改善には結局つながらない。
分析機能として新しく出現している「オーディエンスデータ」と「ABC分析」の活用方法と、使うための前提となる設定方法
※このABC分析はAcquisition(集客)・Behavior(行動)・Conversion(コンバージョン)のそれぞれの頭文字から命名されたGA独自のもの(重要度・優先度を分析するためのABC分析とは全くの別物)。
長くGAと付き合っている身としては、おぉ!となる二大新機能です。ただ、データ収集や活用のためには専用タグの設置、GA管理画面の設定、広告出稿用URLへのパラメータ追記などの一手間必須です(・ω・)b
ユニバーサルアナリティクス
Googleアナリティクスの管理画面で見かける「ユニバーサルアナリティクス」とは何ぞや? アップグレードや移行を推奨する注意書きが表示されるので、どう対応したら良いのか?
⇒ お勧めなのは「現時点ではサイトに非同期・ユニバーサルアナリティクス両方を導入しておく」というもの。異なるプロパティで「非同期トラッキングコード」「ユニバーサルアナリティクスコード」をそれぞれ発行し、HTMLに設置。
感想
かなりモリモリ、中身の濃い内容。
GAの最新機能や、いきなりやってくるバージョンアップの情報など、「アクセス解析データを正確に収集・分析するには必要な情報なのに、まとまった情報源が少ない」「変化のスピードが早く、最新の情報に追いつくのが難しい」といったことが一般的に思われている中、今日の内容を聴けば一通りは必要十分なことを押さえられる内容になっています。
ただ、50分間では話のスピードがかなり早い印象を受けたため、普段のGAの利用頻度に拠って受けられる印象が違っているかもしれません。
第2部:BtoB企業向け 顧客視点でのスコアリングとリマーケティング活用事例【講師:室園 拓也氏(サイバーエリアリサーチ株式会社)】
概要
同社はIPアドレスデータを利用したDBの活用、システム開発、アクセス解析ツール提供など、かなり以前から独特の展開をされています。
IPアドレスデータを活用することで、サイトにアクセスしているユーザの「地域判別」「組織判別」を行えるようになり、サイトの表示内容の最適化や詳細なアクセス解析に応用することが可能になります。今回はそれらのサービスの紹介や事例、BtoB企業の営業活動への活用などのお話でした。
BtoBサイトの展開や、訪問ユーザの興味・行動を改めて考える
よく言われるのが、Webサイト=24時間働く営業マン、といった表現。しかし、人間の営業マンと異なり「コンテンツを見せて」「受動的」にユーザを誘導するに留まるという限界を認識しておく。また、サイトへの集客施策は訪問数増加が目的ではなく、あくまでも確度の高い見込み客をより多く商談への誘導することが目的。その見込み確度の高さを、アクセス解析データなどを使って分析していく。
BtoBサイト成功事例2件紹介
Googleアナリティクスと自社サービス「どこどこJP」を組み合わせてのアクセス解析からスタートする営業&販促の最適化。「どこどこJP」導入に拠り、「どの企業からの訪問であるか」が、GA上で日本語社名で表示され、どのページを見ているかが分かる=興味の傾向が分かる。それらのデータをExcelなど表計算ソフトにデータをコピーし、スコアリング分析を行い、見込みの確度を推測していく。分析結果を基に、確度の高い見込み客に好まれるように「サイトの改善」「広告の改善」を行っていく。
感想
BtoBで、営業活動のクロージングは営業担当が行う形態の場合、Webサイトのデータ解析の結果を社内で共有して、有益であることをWeb担当者の方が示していくのを頑張る必要もあるとも改めて思います。そういう意味では、「どこどこJP」を使うことで分かりやすく伝えることができるようになるのでは。
また、技術的な話として出てきていた、「どの組織から訪問されているか」に関するデータはGoogleアナリティクス単独でも把握することが可能で、私もよく使います。ただし、プロバイダ名しか分からないことも多く不便に感じることも多いです。
手間をかけず「どの企業から訪問されているか」を判別するには「どこどこJP」を導入するのが効率的と感じます。
興味のある方は、GAのカスタムレポートで「ネットワークドメインレポート」を作って分析を試してみて、検討するのをお勧めします(ディメンションの詳細に「ネットワークドメイン」を選択、見たい指標は訪問数など適宜設定)。
第3部:Web坦登壇!ユーザを把握し成功につなげるデータ分析【講師:福本 啓史氏(リンナイ株式会社 管理本部 eビジネス推進室 室長)】
概要
リンナイ様の家庭向けガスコンロ関連の交換部品・メンテナンス用品を直販する「R.Style」。
これまでは“メーカーがWebサイトで直販する”というビジネスそのものの実現性や成長性に疑問符が付けられていた中で、「どのようにメーカー直販EC事業を成長させていっているか」というテーマに関して、具体的な取り組み内容を全般的に取り上げられています。データ分析の取り組みもその中の1つというスタンスでした。
取り組み内容
- 取扱い商品そのものでなく、購入で得られるメリットの訴求
- 掃除他、家事関連の読み物を専門家監修で定期的に配信するコンテンツマーケティング
- ECサイトの購入客・未購入ユーザの理解 ⇒どのような価値観を持った顧客・ユーザか? レビューやアンケートを活用
- クラウドマーケティング ⇒ データ収集+メルマガ配信ツールを導入し、データ分析で顧客・ユーザのニーズを把握。メルマガの内容をチューニングして開封率を向上
- ニッチなニーズを狙った商品をオリジナルで開発し、販路をEC限定に ⇒異例のヒット。EC運営で得られているデータや顧客ニーズを反映することで的確な商品開発が可能に
- Web部署だけで完結せず、全社・関連会社も巻き込んでの展開 ⇒ 他部署に協力し、他部署からの協力を得られやすくする
感想
伝統のある大手メーカー内でのWeb、しかも直販ECサイト事業…“社内の抵抗勢力”も強く、上述したような取り組みをコツコツ継続されて認められるようになっていった、という旨のお話もされていました。「Web部門は、社内ではアウェーですよね」と仰っていたことにも思わず頷いてしまいました。Webやデジタルのマーケティングを遂行していくには、「抵抗勢力があるものだ」と開き直って、地道に発信していくことも必要ですね。
ECサイトへの集客は、ほとんどが自然検索での指名キーワード(企業名かサイト名での検索)流入とのこと。この辺りは、元々の知名度やブランド力、商品のシェアというのを考慮する必要があります。他社の場合は集客施策をどうしていくか、といった所から始める方が多くなると思います。
サイトの規模や種類に拠って、全てが全てをそのまま真似するという訳には行きませんが、「お客様との関係をECサイトを使って構築し、企業そのものとの接点の一つとしていく」「社内全体を巻き込み、Web担当者が積極的に業務を行っていく」というとても原則的な内容に刺激を受けております。
参考
セミナー参加者のtwitterの投稿をまとめたリストを作成しました(togetter)。
2014/3/12 a2iセミナー@名古屋「企業ウェブ担当者 顧客視点のアナリティクス活用事例」
※参会者の方のブログなど
a2i@名古屋セミナーに参加してきました! , ASUE通信,リスティング広告ならASUE株式会社,東京・名古屋・大阪
【活動報告】a2i@名古屋「企業ウェブ担当者 顧客視点のアナリティクス活用事例」 , アクセス解析イニシアチブ (a2i)